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【通貨】欧米為替見通し:ポンドは弱含みも、日銀緩和への期待で過度な下げは回避


今日の欧米外為市場では、ポンド・円は弱含む展開となりそうだ。18時半発表の英・10-12月期国内総生産(GDP)が予想を下回った場合にはポンドの売りは強まる可能性がある。一方で、日銀による追加金融緩和への期待感から円売りフローが出やすく、ポンドを下支えする展開を予想する。

英中銀のカーニー総裁は26日、英国議会の委員会質疑で、「利上げの条件はまだ整っていない」と述べた。金融当局者によるこうした「ハト派」的な発言は昨年末から相次いでいるため早期利上げ観測は後退し、ポンド・円は下落基調が続いている。相関性の高い原油が引き続き安値圏で推移していることもあり、ポンド売りの地合いに変わりはない。今日18時半発表の英・10-12月期GDPは前年比+1.9%と、7-9月期の+2.1%から下振れが予想されるが、想定を超える英国経済の悪化が判明した場合には、利上げそのものへの懐疑的な見方からポンド・円は売りが強まるだろう。

ただ、日銀は28-29日開催の金融政策決定会合で追加金融緩和に踏み切るとの期待感が市場で広がっていることから、ポンド・円は下げ渋るとみる。米連邦準備制度理事会(FRB)は、26-27日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決めるとともに、年初からの市場の混乱などに配慮する文言を声明に盛り込んだ。欧州中央銀行(ECB)も同様のスタンスを示しており、主要国の中銀が足並みをそろえて世界経済の減速に対処する構えを見せる流れとなっている。日銀による緩和が現実的になってきたとの見方を背景とした円売りフローがポンドの下値を支える展開を想定する。

【今日の欧米市場の予定】

・18:30 英・10-12月期GDP速報値(前年比予想:+1.9%、7-9月期:+2.1%)
・18:30 南ア・12月生産者物価指数(前年比予想:+4.9%、11月:+4.3%)
・19:00 ロシア中銀が政策金利発表(予想:11.00%、前回:11.00%)
・22:00 独・1月消費者物価指数速報値(前年比予想:+0.4%、12月:+0.3%)
・22:00以降 南ア準備銀行が政策金利発表(予想:6.75%、前回:6.25%)
・22:30 米・12月耐久財受注(前月比予想:-0.7%、11月:0.0%)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:28.1万件、前回:29.3万件)
・24:00 米・12月中古住宅販売成約指数(前月比予想:+0.9%、11月:-0.9%)
・03:00 米財務省7年債入札(290億ドル)

《SY》

 提供:フィスコ

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