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【特集】【中国の視点】プーチン氏にも弱音「ロシア経済は原油急落と中国にやられた」


ロシアのプーチン大統領はこのほど、深刻な景気後退について、原油暴落が主因だと発言した。また、原油暴落を作り出したのは、中国経済の成長鈍化と過剰な資源開発だと分析した。

ロシア統計局は26日、2015年の国内総生産(GDP)が前年比で3.7%縮小したと発表した。同年の小売売上高は同10%減少し、企業投資も同8.4%減少した。また、2015年の失業者数は426万人と、前年比で7.4%増加した。国際通貨基金(IMF)は最新リポートで、2016年のロシアの成長率予想を従来の-0.6%から-1.0%に下方修正した。

また、通貨ルーブルの急落を受け、利下げなど従来の金融緩和策が安易に実施することはできず、これもロシア経済の足かせになっていると指摘されている。

中国の専門家は、ロシアの景気後退について、成長モデルの転換など構造改革の遅れが根本的な原因だと指摘した。石油・ガスなど資源の輸出に依頼する体質を変えなければ、いずれ景気後退につながると警告。また、ウクライナ問題をめぐり、ロシアに対する欧米の制裁強化もロシア企業の海外資金調達ルートを遮断している。

ただ、プーチン大統領は、ロシアの財政赤字が予想を下回っている上、貿易収支も黒字を維持していると強調。また、備蓄ファンドが依然として潤沢であるため、財政支出の拡大を慎重に対応すれば、ロシア経済の健全発展を維持できるとの自信を示している。
《ZN》

 提供:フィスコ

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