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【材料】キヤノン電子が大幅続落し3年3ヵ月ぶり安値、前日に今期経常利益2ケタ減益予想と発表

 キヤノン電子 <7739> が大幅続落し、2012年11月以来の1700円台割れと3年3ヵ月ぶり安値水準に下げてきた。26日取引終了後に発表した15年12月期連結決算で経常利益が前の期比1.5%増の106億円と5%減益予想から一転増益に転じた。しかし、今16年12月期予想については前期比13.8%減の92億円と2ケタ減益予想見通しを示したことを嫌気した売りが広がっているようだ。なお、未定としていた前期末配当は前の期と同じ30円(年間配当は60円)を実施し、今期の年間配当は未定とした。

 同社はキャノン<7751>の製造子会社でプリンターの受託生産やカメラシャッター等を生産する。前期売上高は前の期比6.4%減の897.73億円と10年12月期ピーク1211.45億円から5期連続減収となったものの、営業利益は19.6%増の105.23億円と前の期の10.5%減益から2ケタ増益に転じた。

 前期の為替は対ドルで円安、対ユーロで円高推移となった。デジタルカメラは、レンズ交換式、コンパクトタイプともスマートフォン普及などの影響により市場の縮小が続いた。しかし、ドキュメントスキャナーは、低・中速機を中心に参入メーカーが増加したことで市場が活性化した。海外ではアジア・オセアニア地域、中東地域などの新興国市場の需要増に伴い市場が拡大した。情報関連市場は業界内の競争激化が続いたが、既存製品の積極的な拡販活動に加え、好コストパフォーマンスと高速スキャンを両立させ各種紙文書だけでなくパスポートのスキャンに対応したA4サイズのドキュメントスキャナー新製品・・等々を投入した。
(執筆者:熱田和雄 ストック・データバンク)

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