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【特集】城南進学研究社 Research Memo(7):新規事業投資が回収期に入り通期予想の達成は十分に可能


■業績見通し

(1) 2016年3月期の連結業績見通し

城南進学研究社<4720>は2016年3月期の連結業績について、売上高6,657百万円(前期比7.7%増)、営業利益354百万円(同11.8%増)、経常利益410百万円(同6.8%増)、当期純利益313百万円(同6.7%増)を予想している。この業績予想は期初から変更はない。

前述のように第2四半期決算が売上高、営業利益ともに約30百万円の未達となったために、下期にその分をカバーしなければならない。この点については弊社では、第2四半期の未達をカバーして同社が通期予想を達成することは十分可能性が高いと考えている。前述のように、上期の利益未達の要因は新規出店や新規事業投資が予想を上回ってその費用がかさんだことが主なものであった。下期にはこれらが回収期に入ってくることで収益圧迫要因から収益押し上げ要因に変わると期待できるのがその理由だ。

同社の業績において季節性が次第に薄まっている点も指摘しておきたい。予備校事業の構成比が高い時代は収益の季節性が極めて強かった。予備校生の獲得は受験シーズンの終わりから新学期が始まるまでのわずか1、2ヶ月間であり、そこに向けて集中的に広告費を投下する必要があったためだ。それに対して現在は、小中高生の日常の学習サポートや乳幼児教育、英語教育の比重が高まり、広告宣伝費投入もかつてよりは平準化している。利益額の上下差は依然として大きいが、下期においても着実に利益が出る収益体質となってきたということだ。

(2) 2017年3月期の考え方

2017年3月期は現行中期経営計画の最終年度となる。同社は2017年3月期の業績計画を、売上高6,795百万円(新予想比2.1%増)、営業利益475百万円(同34.2%増)、経常利益543百万円(同32.4%増)としている。

前述のように、同社の各事業部門は少子化の逆風を乗り越えて着実に入学者数・入会者数を増やしている事業がほとんどだ。予備校部門は今第2四半期に生徒数減少で減収となったが、それを補うべく開始したAO推薦塾は順調な立ち上がりを見せている。こうした状況を反映して、今中期経営計画では初年度の2015年3月期は計画比上振れで着地し、2016年3月期もその期待が高まっている。この流れが続けば、従来と同じベースで考えた場合であっても2017年3月期の業績計画に対して若干上振れした業績予想を出してくる可能性が高いと弊社ではみている。現実の動きとして今下期に同社はKSCとリンゴを子会社化した。この点を踏まえると、2017年3月期の業績見通しは中期経営計画の業績計画を上回ったものになる可能性は極めて高いと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《YF》

 提供:フィスコ

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