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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~需給的にはショートカバー優勢だが原油底入れを見極めたいところ


22日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・需給的にはショートカバー優勢だが原油底入れを見極めたいところ
・ドル・円は117円74銭付近、日本株の大幅反発で117円後半
・緩和メリットセクターとして不動産が強い動き


■需給的にはショートカバー優勢だが原油底入れを見極めたいところ

日経平均は大幅に反発。575.58円高の16592.84円(出来高概算11億3000万株)で前場の取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)ドラギ総裁は、3月にも追加緩和に踏み切ることを示唆した。これを受けて欧州市場が上昇するなか、米国市場にも買いが広がり、21日のNYダウは反発。原油先物価格が上昇したことも買い安心感につながるなか、日経平均は大幅に反発して始まった。

買い一巡後は16450-16500円辺りでのもち合いが続いていたが、前引けにかけて16600円を回復してきている。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1800を超えており、全体の97%を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも大幅に上昇。セクターでは33業種全て上昇しており、鉱業、不動産の上昇率が5%を超えている。

日経平均はギャップ・アップで始まり、その後前引けにかけては5日線を捉えてきている。年初から上値抵抗として意識されていることもあり、まずはこれを突破してくるかが注目されるところ。需給的にはショートカバーが優勢となっているため、前日のような失速は無さそうだが、週末要因もあって手掛けづらさが意識されてくる可能性はある。

また、日経平均は500円を超える大幅高ではあるが、直近2日間で1000円超下げた反動である。年初からは3000円下げていることもあり、自律反発の域ではある。中国が中東問題に積極的に関与する方針が伝えられる中、原油先物価格の底入れが意識されやすいが、原油価格の底入れを見極めたいところでもある。

なお、米東部では今週末に発生する記録的な吹雪により広範囲が「まひ状態に陥る可能性」があるとの予報が出されていると報じられている。首都ワシントンでは地下鉄などの公共交通機関の運行を週末にかけて休止することが決まったと伝えられており、週末の米国市場は商いが膨らみづらい。その他、先週同様、今週もジブリ作品が放送されるが、為替市場や米国市場では、「ジブリの法則」といったアノマリーを意識する向きも。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は117円74銭付近、日本株の大幅反発で117円後半

ドル・円は117円74銭付近で推移。日経平均株価の500円超の大幅反発を受けリスク選好の円売りフローがみられ、ドルは117円後半で推移した。

ドル・円は朝方117円95銭を付けた後、日経平均の上げ幅縮小の場面では117円54銭まで下落した。その後、日経平均は16500円を回復すると、再びリスク選好的なドル買い・円売りが強まり、117円90銭台まで値を戻した。

足元で上海総合指数はプラス圏推移が続いているほか、ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いが続いていることから、ドル・円は午後の取引で118円を回復する可能性はあろう。また、原油価格の下げ渋りもリスク選好的な動きを支援するとみられる。

12時30分時点のドル・円は117円74銭、ユーロ・円は127円71銭、ポンド・円は167円37銭、豪ドル・円は82円41銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・Fリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>が日経平均を約149円押し上げ
・緩和メリットセクターとして不動産が強い動き
・新規オーバーWのテレビ朝日<9409>、目標株価引き上げの特殊陶<5334>がしっかり


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・13:00 衆院本会議(施政方針演説など政府4演説実施)

<海外>
・16:45 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁がダボス会議に出席

《SY》

 提供:フィスコ

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