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【特集】AMBITION Research Memo(4):プロパティマネジメント事業の成長が柱、インバウンド対応も強化


■成長戦略

○狙いは「都心の若年層向けマンション」×「個人オーナー」

AMBITION<3300>の成長戦略は、プロパティマネジメント事業の成長が柱となる。首都圏の賃貸住宅市場は約5.7兆円あり、同社が得意とするDINKS・単身向けの市場だけでも約1.9兆円の市場が存在する。なかでも個人オーナー物件はそのボリュームが大きく、約82%が個人所有である。個人オーナーは、サブリース(転貸)の認知や理解が進んでいない傾向にあり、まだ開拓の余地がある。また委託する場合にも地場の不動産業者を利用する場合が多く、同社としても競争力がある。

ちなみに、サブリース(転貸)業界で同社と比較されることがある日本管理センター<3276>も、近年順調に業績を伸ばしている。同社同様に管理戸数を増やし、高い入居率を維持している。日本管理センターはアパート物件が主体であるという違いはあるものの、市場の地合いは悪くない。

○インバウンド対応強化
昨今の外国人の来日増加を背景に、部屋探しをする外国人も増えている。この時に障壁になるのが、保証人の問題と言語の違いによるコミュニケーションの問題である。対策として同社では、1)保証会社と提携、2)外国語を話せるネイティブな人材増員を順次実施する。具体的には海外法人のアンビション・ベトナムや訪日留学生向けの職業トレーニング・職業紹介を行うアプライズ社と連携し、日本に在留する外国人に対し物件情報を提供し入居の促進を図る計画がある。また、社内に外国人対応チームを創設し、外国人の契約から入居・退去・住み替えまでフォローする体制を確立する予定だ。

外国人観光客の増加に伴い、マンションなどの空き部屋を宿泊施設として利用する「民泊」もビジネスチャンスになりそうだ。特に東京や大阪ではホテル不足が深刻であり、大田区や大阪府では規制緩和を後押しする民泊条例が可決した。(大田区での施行予定:2016年1月末)他の自治体への規制緩和の波及動向にもよるが、インバウンド賃貸管理のプロフェッショナルとして、同社が何らかの形で民泊ビジネスに参入することも大いに予想される。

○Secualへの出資
同社は2015年12月25日に株式会社Secual(以下、Secual)の一部株式を取得することを決議したと発表している。Secualはテクノロジーを活用したホームセキュリティサービスを提供している。今回の資本提携により同社が提供する賃貸住戸の入居者ニーズに合ったサービス提供が可能になるとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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