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2016年01月20日16時00分

【特集】アキテクツSJ Research Memo(1):新体制への過渡期、主体的直接関与で成長を目指す


アーキテクツ・スタジオ・ジャパン<6085>は、2007年に建築家ネットワーク事業の運営を目的として大阪市に設立された。現在、日本最大の建築家ネットワークを運営しており、2015年9月時点の登録建築家数は全国の建築家の半数を超える2,690名に達した。また、施主と建築家、建設会社が打ち合わせをするスタジオは、全国で194ヶ所を数える。

これまで日本では、建築家が設計する注文住宅はボリュームゾーンの価格帯を希望する施主にとっては高嶺の花であったが、同社は、施主と建築家とを独自のネットワークで結びつけることにより、適正価格で建築家との家づくりを可能とするプラットホームを構築した。会員登録は無料で、好みの建築家からプランの提案を期間・回数の制限なく受けられる。一方登録建築家は、加盟建設会社が開催するイベント会場で多くの見込み客と巡り合う機会が得られる。また、地理的制約が緩和され、活躍の場が全国に広がる。加盟建設会社は、顧客への訴求力が高い建築家の設計した住宅の施工を手掛けるため、営業面でのサポートを得ることになる。これまで同社はこのような施主と建築家及び建設会社のWin-Win-Winの関係を築いてきたが、2016年3月期からはこれを建材メーカーにも広げていく計画だ。

2016年3月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比5.0%減の632百万円、営業利益と経常利益は46百万円の損失になった。期初予想では前年同期比23.2%の増収を計画していたが、実績がそれを下回ったため、販管費がほぼ前年同期並みであったものの、営業損失を計上するに至った。売上総利益率は79.2%の高水準を維持した。公共事業の回復などにより、加盟スタジオの中のASJ事業の優先順位が低下し、建設工事請負契約件数は伸び悩んだ。また新規スタジオの加盟も低調に終わった。2016年3月期通期予想も下方修正され、売上高は前期比0.1%減の1,450百万円、営業利益と経常利益はともに15百万円に引き下げられた。

加盟スタジオの意向に自社の業績が大きく左右される状態では、経営戦略上の自由度が制限されてしまう。同社は従来の、加盟スタジオに対する側面支援的な「間接関与」から、Webによる自社での新規会員の獲得にはじまり常設展示、イベント開催、会員との打ち合わせができる大型の施設を持つことで「主体的直接関与」をするビジネスモデルを始動させた。大阪市にある常設展示場「ASJ UMEDA CELL」に続き、2014年4月には建築家情報空間「ASJ YOKOHAMA CELL」を神奈川県の横浜ランドマークタワー31階にオープンさせた。同施設が稼働して1年半経過したが、計画に即した営業成績を上げている。2016年3月には、東京都千代田区丸の内の新日石ビルヂング1階に「ASJ TOKYO CELL」を開設する予定だ。2015年10月に新設された営業本部は10名体制の営業部隊となり、内5名を「ASJ TOKYO CELL」に配置するため、相乗効果が期待される。

■Check Point
・2016年3月期第2四半期の業績は悪化、通期予想を下方修正
・「間接関与」だけではなく「主体的直接関与」により持続的成長を目指す
・2016年3月に「ASJ TOKYO CELL」を開設予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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