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【特集】【中国の視点】サウジ:イラン制裁解除で新たな試練、原油減産なしで共倒れの恐れも


原油価格の低迷で財政収支が急速に悪化しているサウジアラビアにとって、イランに対する経済政策の解除が一段と厳しい立場に追い込まれている。

一方、イランの参入に伴う市場シェアの縮小を防ぐため、サウジが持久戦を選択している。産油コストが高いイランを追い込むため、サウジは増産策略を変更していない。また、イランを疲れさせるため、サウジが当面増産計画を変更しないと予測されている。

ただ、両国がともに自身の利益を最優先する戦略を変更しなければ、共倒れの恐れがあると警告されている。イランの参入で原油価格が一段と低迷し、商品市場が一段と不安定な展開になると警戒されている。

国際通貨基金(IMF)の試算によると、2016年の原油価格が1バレル当たり96米ドルに回復しなければ、サウジの財政収支が均衡にならないという。機関投資家の予測では、原油価格が年内1バレル当たり96米ドルまで上昇する可能性が低いという結果が示されている。

なお、イラン政府は、経済制裁が解除された1週間以内1日当たり50万バレルを輸出し、6カ月以内1日当たりの輸出量を100万バレルまで引き上げる方針を示した。全世界の原油供給は1日あたり需要を200万バレル上回っているといわれており、イランの参入が原油価格を一段と押し下げることが容易に想像できる。
《ZN》

 提供:フィスコ

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