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2016年01月18日16時24分

【特集】ベネフィット・ワン Research Memo(4):ワンストップサイトによる「サービスの流通創造」を進める


 

■会社概要

(2) BtoC事業

2014年から第3ステージとして「BtoB市場の深掘り」と「BtoC市場への本格参入」と事業を整理した。BtoC事業では、念願の「サービス流通システムの確立」を目指す。

サービスの流通にはユーザー目線での評価が不可欠だ。従来は、広告の露出度が大きいサービスに目が奪われる傾向があった。広告収入をベースとするビジネスモデルでは、ユーザー目線での評価ができず、ベネフィット・ワン<2412>のようなユーザー課金型サービスマッチングで初めて可能になる。サービス利用者個人によるレビューが発信されているが、同社は、次のステージで、グルメで言えばミシュランガイドのようなレベルの高いサービスの格付け機能を付加する計画でいる。

月額課金型のビジネスモデルでは、一般サイトに対しプレミアム性などサービスの差別化を図らなければならないが、会員にとって一番訴求力が強いのは価格になる。ここでは、在庫(座席)情報の共有化と価格変動システムがキーワードになる。欧米を中心に、シェアリング・エコノミー(共有型経済)が拡大している。個人が保有する遊休資産の貸出しを仲介する新しいサービスである。宿泊施設や自動車、タクシーなどが代表的なものになる。一方、同社が注目しているのは、サービス業界の有効活用されていない在庫である。サービス提供者には、以前からサービス稼働率の平準化を目的に価格を変動させる意向があったが、それには在庫情報の共有が必須であり、実現するIT環境が整備されていなかった。スマートフォンの普及やサービス業におけるIT活用経営の進行を背景に、同社の考える効率的な経済の実現が可能になりつつある。システム化で先行した航空会社やホテルは、予約がネット経由に変わり、価格変動制が取り入れられた。同社は、グルメやエンタメ、ヘルスケア分野の在庫情報とそれに応じて変動する価格をマッチングすることをBtoCのビジネスコンセプトとしている。これらのトレンドが他のサービス業界に広がることで、ネット経由でサービスを見つけ、評価を読み、予約する時代が到来するだろう。ベネフィット・ワンは、その時にサービスマッチングのワンストップサイトで圧倒的No.1の座を築くことを目指している。

a)パーソナル事業
同社は、創業時から高遠な目標を保ちつつ、現状に即した施策をとる経営を行ってきた。BtoCを実現するためには、月額固定の会費を徴収する機能が必要とされる。アライアンス先の機能を活用することで、パーソナル会員の獲得を急ピッチで進めている。パーソナル会員数は、2015年4月時点で147万人であった。2016年4月までの1年間で100万人強増え、251万人になると想定している。

アライアンス先は、携帯電話の通信事業者やフィットネスクラブ、不動産仲介会社等になる。これらのアライアンス先は、顧客への対面販売や定額課金を特長としており、同社の会費モデルとの親和性が高い。イメージとしては、フィットネスクラブの月会費1万円に、オプションとして同社のサービスを付加し、月会費5百円が上乗せされるような形だ。今後は、利用促進の啓蒙活動が重要になる。福利厚生サービスの企業会員の場合、会社の福利厚生の一環として付与されるため当事者意識が低く、同社サービスの有用性を認識して利用者する人とそうでない人に分かれる。ただし、企業会員は所属する企業が止めなければ、利用の如何を問わず、会員であり続け、同社には会費収入がある。一方、パーソナル会員は個々人の判断で退会ができ、利用されないことが退会に直結しやすい。そのため、利用率向上に向け、同社では様々な施策を講じている。

個人向けサービスとしては、特にグルメ、エンタメ、ヘルスケアを強化することで、一般サイトとのコンテンツの差別化を図る。グルメは、在庫情報の共有化と変動価格システムによる割安な優待料金が特徴だ。同社が提供するグルメサービスでは、日常使いに最適な「食べタイム」のほか、2015年10月より高級店のみをラインナップし、オンライン予約、事前決済を可能にした「Premium Dining」を開始した。東京、大阪、名古屋、福岡を中心に、接待、会食、記念日等にふさわしい、厳選した高級店550店舗を用意した。今年度末までに、1,000店舗を目指す。

エンタメは、チケットレス化と自主興行拡大が目玉となる。チケットレスでは、2015年9月に(株)イーティックスデータファームと資本業務提携をした。同社のオンラインチケット販売システムを活用することで、現券発送やコンビニ発券の手間を省き利便性を高める。会員企業向けで提供してきた会員制プレイガイドを、今後は個人会員にも対象を広げる。ユーザー課金型のビジネスモデルであることから、プレイガイドの手数料を取らない。需要と供給に応じた価格変動により、チケット流通の改革を目指す。また、興行主との連携や自主興行イベントを強化しプレミアム感を出す。舞台のバックステージ観覧付きチケットやグッズ特典を付けた限定チケットなど付加価値を高める。

b) CRM事業
CRM(Customer Relationship Management)事業は、顧客満足度向上支援サービスになる。同社クライアント企業の主力商品に同社サービスを加えることで、新規顧客の獲得や優良顧客の囲い込みを支援する。多様化する顧客の価値観やサービスのランク分けをして顧客満足度を高めることが可能になる。

c)インバウンド事業
インバウンド事業は、訪日旅行者向けに“飲食店割引”と“Wi-Fi+LTE通信”サービスを提供する。2015年の訪日旅行者数は、10月までの累計が1,631万人に達し、前年同期比48.2%増加した。2020年のオリンピックイヤーに向けた観光立国政策を背景に、市場拡大が見込まれる。同社の優位性は、台湾を始めとする海外拠点で訪日旅行者へのコンタクトチャネルを有することだ。国内外のサービスプラットフォームを連携させることで、独自の商品優位性を確立する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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