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【特集】宇徳 Research Memo(4):プラント・物流事業は公共投資や民間設備投資の影響を受ける


■会社概要

(5)宇徳<9358>のセグメント情報

港湾事業は、リーマンショック直後と急激な円高の進行により2010年3月期と2011年3月期にセグメント利益が大幅に減少した。しかし、国際コンテナターミナルとの合併後は、安定した収益を上げている。2012年3月期から2015年3月期まで、セグメント利益は20億円前後で推移し、営業収入利益率も10%程度の高水準を保った。

プラント・物流事業は、国内外の大型案件の有無や公共投資及び民間設備投資の影響を受ける。2013年3月期は、物流事業が円高の影響もあり輸出の取扱いが不振だった。国内外のプロジェクトも低調に推移した。プラント事業は、国内の民間設備投資市場において競争が厳しく、海外でも主要拠点のシンガポールにおける設備投資が縮小傾向にあった。中型案件を中心に営業活動を行ったが、採算の悪化を避けられなかった。2014年3月期も輸出が回復に至らなかったものの、陸上輸送などの効率化に努め、採算性を向上した。新規案件獲得のための積極的な営業活動により、工事量を確保した。海外においても、シンガポールの工事が後半に本格稼働となり採算が好転した。2015年3月期は、プラント・物流事業の営業収入が前期比47.3%増と大幅な伸びを記録した。京浜港の取扱貨物量が堅調に推移したうえ、保有特殊機材を使用した案件を多く受注したことが、大幅増益に結びついた。また、シンガポールでも既存工事の追加受注があり、安定した工事量を確保した。セグメント利益は、前期比4.2倍、営業収入利益率は11.4%に上昇した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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