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【特集】GTS Research Memo(2):北海道大学発のバイオベンチャー、バイオシミラーの開発を強化


■会社概要とバイオ医薬品市場について

(1)会社沿革

ジーンテクノサイエンス<4584>は、北海道大学遺伝子病制御研究所における研究成果を診断薬や治療薬として開発することを目的として、2001年に設立された大学発のバイオベンチャーとなる。バイオ新薬の研究開発では、2007年に科研製薬(株)<4521>に対して、抗α9インテグリン抗体のライセンスアウトを行った。また、安定した収益基盤を構築するために、バイオ医薬品の後続品であるバイオシミラーの開発にも着手、2007年に富士製薬工業(株)<4554>とフィルグラスチムバイオシミラー※の共同開発契約を締結、2012年にフィルグラスチムバイオシミラーとして国内バイオシミラー・ガイドラインの下で初めて製造販売承認され、2013年から富士製薬工業及び持田製薬から販売が開始されている。

※フィルグラスチム:顆粒球増殖因子製剤。がん化学療法(抗がん剤投与)を行った後、白血球が減少し免疫力が低下する症状が出るが、この白血球を増殖するための製剤。

その後も、バイオシミラーの開発パイプラインを強化していくなかで、共同開発先との業務提携も積極的に進めている。2013年に伊藤忠ケミカルフロンティア(株)、2014年に(株)三和化学研究所と共同開発契約を締結したほか、直近では2015年8月に持田製薬とがん治療領域において、また同年11月には千寿製薬と眼科治療領域においての共同開発及び販売に関する業務提携にかかる基本合意書を締結した。なお、千寿製薬に関しては基本合意書締結と同時に、同社の筆頭株主であるウィズ・ヘルスケアPE1号投資事業有限責任組合(ヘルスケアセクター専門の投資ファンド)から同社の株式を5.26%(平成27年11月12日現在)取得しており、2番目の株主となっている。

その他、ヘルスケア関連領域への取り組みも始めている。2014年に人工骨の研究開発を行うベンチャー企業のORTHOREBIRTH(株)と資本業務提携契約を締結したほか、2015年にはダイドードリンコ(株)<2590>が同社株式を3.79%(平成27年11月12日現在)取得し、ヘルスケア領域における協業に向けた取り組みを開始している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SF》

 提供:フィスコ

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