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2016年01月14日17時50分

【特集】アールシーコア CORPORATE RESEARCH(8/10):業績の先行指数である契約高


新規来場件数と契約高の関係
このビジネス・フレームが確立されている以上、契約高(件数)の鍵を握るのは「新規来場件数」ということになる。13年度までの11期間において、両者の関係を計測すると以下の図表のようになり、分布図の数式の決定係数(R2)が0.89と極めて高い連関が見られることが分かる。この数式におけるXの係数「0.3952」は、新規来場件数のうち、どのくらいの比率で契約に結びついたかを示すものであり、仮に「契約係数」と名付ける。

これに、消費増税後の反動減が色濃く出た14年度を加えると以下の図表のようになる。14年度については、新規来場件数の伸びに比べて契約高が伸びず、そのことを、「受け皿である営業員の不足」とアールシーコア<7837>(以下「RCC社」、「同社」)は理由として述べたが、それは具体的には矢印の部分のことを指していると思われる。そして、12期の「契約係数」は、0.3101と前期から0.0851低下した。

さて、同社は今年度、新規来場件数30,500件、契約高13,100百万円という見込み数値を出している。これをさらに加えると意外な事実が判明する。

14年度に「受け皿不足」と同社が指摘した部分が無くなり、13年間の「契約係数」は0.3411と再度浮上し、且つ、今年度は下の分布図において数式線よりも上にあるため、過去平均よりも高い「契約係数」となるのである。このことは、現状の営業員数で十分に「受け皿不足」を解消しているということになり、ここからの営業員数の増加は、さらに「受け皿の充実効果」によって契約高の増加に結びつく可能性が高いということになる。

しかし、無論、この見込みとおりの着地となれば申し分ないが、見込み数値から今年度下期の新規来場件数、契約高、契約棟数の見込みを逆算すると大きな疑問が湧く。図表10は、06年度以降の新規来場件数、契約高、契約棟数の数字を抜粋したものであり、契約高/新規来場件数をA、契約棟数/新規来場件数をBとして算出している。(また、今年度上期については決算短信において新規来場件数の数字明示がなく、「ほぼ前年同期並み」と表記されたので、前年同期と同じ数字を用いている。)
これによると、今年度下期は、08年度並みの高いA(新規来場件数が契約高に結びつく係数)と、かつてない高いB(新規来場件数が契約棟数に結びつく係数)が前提となっていることが分かる。また、1棟あたりの契約高は13年度以降で最も低い金額となる。

つまり、現在掲げている下期の契約高及び契約棟数は、下期見込みの新規来場件数で実現するのは非常に厳しいということである。

そのため、今年度下期の予想として、新規来場件数に幅を持たせ、現実的な数字として、A(新規来場件数が契約高に結びつく係数) : 0.385、B(新規来場件数が契約棟数に結びつく係数) : 0.035を採用してマトリクスを作成してみた。

これによると、新規来場件数が17,000件となっても契約高は6,545百万円、契約棟数は595棟となり、見込み数字を下回ることになる。

そのため、図表9については今年度決算終了後に再度プロットを行い、「受け皿である営業員の不足」は解消されているのかを検証する必要がある。

以上のことから、現段階で、前述のように経営指標である営業利益を初めとする利益項目には上方修正余地があるものの、業績の先行指数である今年度の契約高については下方に着地する可能性が高いと指摘する。

スプリングキャピタル株式会社 井上 哲男

《HN》

 提供:フィスコ

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