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2016年01月14日17時45分

【特集】アールシーコア CORPORATE RESEARCH(6/10):営業員の増加に取り組むが大きな費用増は想定しにくい


営業員数増に向けた取り組み

アールシーコア<7837>(以下「RCC社」、「同社」)は2014年5月に、売上高、営業利益ともに2期連続での過去最高となった13年度決算を発表した際に、同時に発表した14年度見込みにおいて、利益項目を全て前年度から大きく減少する数字を発表した経緯がある。その減益見込みは費用の増加によるものであり、決算短信の言葉を借りると、「現在直面している課題に対応する『戦略的費用』を増加させる」というものであった。その中で最も大きな要因として掲げたのが、「本部主導による質・量両面における営業力の強化」、つまり、本部が営業員を積極的に採用し、教育するというものであった。

しかし、結果的にこの「戦略的費用」は積極的に投下されることなく、14年度決算における営業利益は、期初見込みの300百万円を大きく上回る677百万円で着地した。また、13年度末に154名であった営業員を1年間で100名程度新規採用するという目論みは達成されず、逆に14年度末に営業員数が140名と前年度末から14名減少することとなった。

この14名減員という数字は、40名の増加と54名の減少(販社からの退職や配置転換)という2つの数字の合計である。この40名の増加という数字が販社の例年の数字から大きく乖離していないとすると、問題なのは54名の減少である。

現在、好景気のもと、人材の流動化が進んでおり、人材派遣業における1人あたりの採用コストも、アベノミクス開始前の12万円台が、現在は16万円と高騰している。より高待遇、好環境を求めて、若い生産年齢層が仕事を変える傾向があり、同社に限らず、人材不足は多くの業種・企業が抱える問題となっている。

この社会的情勢を踏まえて、同社は14年度の期中より、営業力強化のため、「ホームナビゲーター資格制度」を創設した。これは、実技を中心とした採点によりランク評価を行うという全国統一基準の資格制度であり、2015年4月には当該専門部署を立ち上げ、新研修カリキュラムも施行している。これらは、営業員の“質”を向上させることでBESS事業全体の業績向上を目指すものであろう。副次的に各営業員が結果を出すことで処遇改善に繋がり、定着を促す効果も期待できる。

一方で、営業員数の増加に向けた取り組みとして、Iレポート(2015年7月22日に発行されたイニシャルレポート)で筆者が指摘した地方における採用にも着手する動きが見られた。本部一括採用は、今年度上半期で8名という実績を挙げたが、この9月から開始している本部・販社合同の募集に参加を希望した拠点数は26にも上り、その応募者も11月現在180名を数えるという。来年度以降も募集体制の確立という課題克服にむけた取り組みは続けられると思われるが、まずは、この下期の成果に注目したい。

利益の上方修正、または、見込みを上回る着地を予想
このように、同社が営業員の質・量の増加に向けた取り組みを行っていることは確かであるが、そのための費用が大きく今年度下期に支出されるかというと、その点については大きな疑問が残る。

14年度に掲げた「本部主導による質・量両面における営業力の強化」は、同社が営業員の採用を行い、教育(育成)期間の人件費を負担するというもの(=「本部一括採用」)であったが、それに加え、販社合同募集も視野に入れた以上、当初の目論みほどには大きな一時的費用の支出は想定しづらく、下期のフェアにおいて販社支援の費用が生じたとしても、今年度下期の利益率が3.3%にまで低下することは現実的ではないと考えられる。下期の利益率が6%、今年度の見込みとおりに売上高が達成される(13,000百万円)という前提に立てば、年度の営業利益は、上期の431百万円に、下期の6,648百万円×6%=398百万円を加えた829百万円となり、現在の今年度通期見込みの650百万円から27%上方乖離することとなる。

これは、過去最高営業利益であった13年度には及ばないものの(図表4)、14年度との比較では22%程度の増益となる。

スプリングキャピタル株式会社 井上 哲男

《HN》

 提供:フィスコ

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