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【特集】SDエンター Research Memo(5):長期固定客を作る仕組みが整い、今後の収益に期待


■事業部門別動向

(2)フィットネス事業

SDエンターテイメント<4650>の今第2四半期のフィットネス事業の売上高は1,115百万円で前年同期比4.1%の減収だった。また、営業利益が121百万円で同18.8%の減益だった。四半期ベースでは第1四半期において有料プログラムで収益源の1つだった加圧トレーニングや物販(サプリ等)が不振で、第2四半期単独期間において前述のTSSなどの新サービスなどで巻き返しを図ったが、効果が出るのに時間がかかり、第1四半期比微増収にとどまった。

しかしながらフィットネス事業は第3四半期に入って、急速に盛り返している状況だ。10月の入会者はキャンペーンの効果もあって、約1,500人に達した。これは、2015年3月期末の会員数25,000人の6%に相当する数値だ。前述したTSSによってキャンペーンで入会した会員の長期固定客する仕組みが整い、第4四半期からの収益貢献が期待される。

注目されるのは三重県津市のSDフィットネス津店の実績だ。同店は10月単月において250名近い新入会員を獲得したが、その半分以上を会員紹介という形で集客することに成功した。紹介した会員はロイヤルカスタマーである可能性が高く、その紹介で入会した新会員もロイヤルカスタマーとなる可能性が高いと考えられるため、キャンペーンによる集客よりも効率性が高いと言える。同社は津店の成功体験を分析し、他の店舗でも同様の取組みを行う対策を進めている。

期待されている「FIVE」は国立店でテストマーケティングと商品としてのブラッシュアップが行われている最中だ。当初計画よりも実験期間を延長し、商品性をさらに高めてから本格展開へと移行する計画だ。現状では本格展開の時期は2016年4月ごろとみられる。弊社はFIVEについて、効果についての不安は小さいと考えている。グループ会社のRIZAPのデータやノウハウが活用されているためだ。他方、グループレッスンという点ではトレーナーの負担が過重にならないかを懸念している。ブラッシュアップの力点はこのオペレーション面での改良にあると弊社ではみているが、この点の洗練が進めば同社と利用者の双方にとってメリットの多い人気フィットネス商品になると期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《RT》

 提供:フィスコ

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