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2016年01月14日16時03分

【特集】イグニス Research Memo(1):「ぼくとドラゴン」が好調、2016年9月期は大幅増収を見込む


イグニス<3689>は、スマートフォン向けネイティブアプリの企画・開発・運営・販売を手掛け、主に広告収入を収益源とする「無料ネイティブアプリ」の提供を中核事業としている。また、「ネイティブソーシャルゲーム」及び「全巻無料型ハイブリッドアプリ」(30分無料で漫画コンテンツを楽しむことができる)も展開しており、ゲーム及び非ゲームの領域で独自のポジションを確立している。日常的に利用する高品質なツール系アプリなどを無料で提供することで、ダウンロード数及びMAU (Monthly Active Users)※1の拡大が同社の成長をけん引してきた。前期(2015年9月期)からは、これまでの小規模アプリ中心から、コミュニケーション領域などのライフタイムの長い中・大規模アプリ※2の開発にも注力することで収益構造改革に取り組んでいる。国内屈指の600万規模のMAU (海外を含む) を誇る事業基盤や市場開拓力などを活かして更なる事業拡大を目指している。

※1 MAU (Monthly Active Users) とは、ある月に1 回以上、アプリの利用があったユーザー数(重複も含む) を言う。
※2中・大規模アプリ: 同社では開発期間に応じて、無料ネイティブアプリを小規模アプリ(1 ヶ月未満)、中規模アプリ(1ヶ月超3ヶ月未満)、大規模アプリ(3ヶ月超) に分類している。

2015年9月期の業績は、売上高が前期比18.1%増の2,419百万円、営業損失が38百万円(前期は561百万円の利益)と増収ながら大幅な減益となり、営業損失に陥った。収益構造改革の移行期にあたるところに、環境変化の影響(小規模アプリの収益化の難易度が上昇)が重なったことで「無料ネイティブアプリ」と「全巻無料型ハイブリッドアプリ」が大幅に落ち込んだものの、「ぼくとドラゴン」の順調な立ち上がりにより「ネイティブソーシャルゲーム」が大きく伸びたことで増収を確保した。一方、損益面では開発コストが先行し、人件費や地代家賃等の固定費が増加したことに加えて、「ぼくとドラゴン」に係る広告宣伝費及びプラットフォーム手数料の増加により販管費が大きく拡大したが、増収により吸収するには至らず営業損失となった。ただ、第4四半期だけでみると、「ぼくとドラゴン」の拡大により、売上高、利益ともに前年同期を上回るとともに営業黒字に転換している。

2016年9月期の業績予想について同社は、売上高を前期比44.7%増の3,500百万円と見込んでいるが、利益予想については合理的な算定が困難であることから開示していない。好調を持続している「ぼくとドラゴン」が期初から貢献することや、2015年9月期にWeb版をリリースした運用型※3サービスの収益化が増収に寄与する前提となっている模様である。
※3試行的な運用によりユーザーの声を反映させるなどの改善を図りながら成長させていくアプリ

小規模アプリにおける収益化の難易度が上昇するなど、急激な環境変化が業績拡大の足かせとなっているが、だからこそ、中・大規模アプリへ移行する方向性は妥当と判断できる。「ぼくとドラゴン」が長期にわたる安定収益の柱として目処が立ったのは大きな成果であるが、更なる収益の柱の育成がポイントになるであろう。既に試行的に運用を開始(リリース)しているものを含めて、ライフタイムの長い運用型アプリが、今後どのような形で収益貢献していくのかに注目していきたい。

■Check Point
・無料ネイティブアプリが中核、ネイティブソーシャルゲームが伸長
・2015年9月期は増収減益となったが、4Qでは大きく業績が回復
・2016年9月期業績は大幅な増収を見込む、損益動向には注視必要

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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