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【特集】ラクーン Research Memo(4):売掛債権保証事業は保証残高に連動するストック型ビジネス


■事業概要

(3)ラクーン<3031>の売掛債権保証事業

2010年11月に子会社化したT&G が手掛ける売掛債権保証事業は、顧客企業の取引先の売掛債権を保証し、仮に取引先が支払い不能に陥った場合には、あらかじめ設定した保証金額を顧客に支払うサービスである。顧客にとっては一定の保証料(月額平均1%弱)を払うことで、売掛債権の未回収リスクをヘッジすることになる。あらかじめ設定された保証料率に基づいた保証料が売上高として計上される。売上高の計上方法としては、保証期間で毎月按分した額を計上している。このため、保証残高に連動するストック型ビジネスと言え、大きな貸倒れ案件が集中して発生しない限りは営業利益率で10%以上を稼ぎ出す高収益事業となっている。

2015年10月末の保証残高は7,531百万円と右肩上がりで拡大している。特に2015年4月期以降はサービスメニューや業務提携の拡充を進めたことにより、保証残高の増加ペースが加速している。保証引受先の業種別構成比では、卸売・小売業で5割弱を占めているほか、多岐に広がっている。また、年商規模では5,000百万円以下の中小企業が半分以上を占めており、1件当たりの保証額としても2~3百万円と比較的小口案件が多いことが特徴となる。

販売チャネルとしては直販と提携代理店経由に分かれており、取扱件数の比率は4:6となっている。直販では東京、大阪、名古屋、福岡の営業拠点のほかWeb経由で受け付けている。また、提携代理店としては地銀や保険代理店などがあり、これら提携先から顧客紹介を受けた場合は、受取保証料の10%を手数料として支払っている。

競合としては、専業でイー・ギャランティ<8771>があるが、その他には損害保険会社や銀行系のファクタリング会社などがある。ただ、中小企業向けの売掛保証サービスに関してはまだ競合も少ない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《RT》

 提供:フィスコ

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