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【材料】日本製紙が7日ぶりに急反発、前日には同社開発中のCNFをNHK番組が放映

 日本製紙<3863>が7日ぶりに急反発。昨年大納会に一時2000円台回復場面があったものの、年明けは世界同時株安展開が続いたとあって続落基調となってきた。が、海外株反発を受けこの日の円は対ドルで118円台前半と反落推移となっていることから、全般突っ込み狙いの買いや買い戻す動きに日経平均株価も昨年大納会以来7日ぶりに大幅反発展開となっており、同社株も下値を買う動きが広がっているもよう。

 同社は木質資源の新開拓分野としてナノファイバーなどバイオケミカル分野の開発に取り組んできた。中核となるのはセルロースナノファイバー(CNF)の実用化に向けた取り組み。前夜のNHKテレビ番組「クローズアップ現代」で、京都大学矢野浩之生存圏研究所教授が出演しCNFについて放映されたことから、全般買い気が戻ってきたこともあり、改めて材料視されたようだ。

 CNFはパルプを幅4ナノメートル(10億分の1メートル)の細さに解きほぐした超極細繊維。温度変化に伴う伸縮はガラス並みに良好で、弾性率は高強度繊維で知られるアラシド繊維並みに強いという特長があるほか、透明性やガスバリア性などの点で優れた性質を備えていると指摘。CNFは自動車用や電子機器用の樹脂補強材、食品・化粧品等の包装材など、様々な産業用素材としての利用が見込まれている等々と伝えた。
(執筆者:熱田和雄 ストック・データバンク)

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