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【特集】アドバネクス Research Memo(4):グローバル営業本部が中心となりアジア戦略を強化


■事業戦略

(1)エリア戦略

日本は、少子高齢化で内需縮小が見込まれる。主要顧客である自動車メーカーはグローバルサプライを求めることから、アドバネクス<5998>も売上拡大には積極的なグローバル展開が欠かせない。グローバル営業本部が中心となり、アジア戦略を強化していく。

同社の地域別売上高(プラスチック事業を除く)は、日本の比率が2014年3月期の44.4%から2016年3月期に40.4%へ、2020年3月期には33.0%へ低下すると予想している。国内売上は金額が増加する予想であるものの、海外売上がそれ上回るスピードで拡大する計画を立てている。

海外では英国、米国、メキシコ、シンガポール、中国(上海、大連、東莞、常州)、タイ、ベトナムに製造の拠点を有しており、更にメキシコに2番目の工場を開設することを決定した。また、同社は中国、アジアを中心に数多くの営業所を有しており、今期中には新たにドイツ、中国天津、更にインドに3番目の営業所を設立する予定。

今後の計画は、欧州では、大陸の生産拠点としてチェコへの進出を計画している。米州では、メキシコケレタロ州に上述の第2工場を開設し、日系自動車メーカー・部品メーカーが相次いで進出しているメキシコ国内の需要を取り込む。既存建屋を賃貸することで初期投資を抑える。2016年4月に開設し、同年年末に本格操業に入る予定。アジアでは、インドネシアの日系自動車部品メーカーを主な顧客とするPT. YAMAKOU INDONESIAの株式を取得するなど、同地での生産拠点の確保を図る。また、インドにも生産拠点を開設する計画。

国際自動車工業連合会(OICA)の過去10年間の国別自動車生産統計を見ると、新興国での成長が著しい。2014年の世界の自動車生産台数は8,975万台と前年比2.6%増加した。日本の生産台数は、977万台と同1.5%増であった。2014年の水準を、日本の生産がピークをつけた2007年と比べると、日本は15.7%の減少となるが、世界は22.5%の増加となる。日本の生産は、2008年9月のリーマン・ショックを契機に大きく落ち込み、円高と生産の海外移管がその後の回復を遅らせた。先進国の市場に成熟感がある一方、国内市場の成長が著しい中国やインドにおける生産が大幅に伸びている。世界の生産台数における中国のシェアは2005年の8.6%から2014年には26.4%へ拡大し、生産台数が2,372万台と2位の米国の1,166万台を大きく引き離した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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