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【特集】【中国の視点】人民元安定化への奔走:得策でない、輸出確保を最優先すべき


人民元の対米ドルの急落を受け、中国当局が最近、元の安定化を維持するため、対米ドル仲値の引き上げや、元買い介入などさまざまな措置を実施した。

一方、中国の専門家は、元の為替レートについて、市場に任せるべきだと指摘し、当局による介入が市場原理に逆行していると批判した。中国の輸出停滞こそ人民元の不安定な相場を作り出していると強調した。

ユーロと円安の進行を受け、ユーロ圏の一部国や日本の輸出が確保され、これが昨年のドイツ(+13%)と日本(+9%)の株式市場上昇に寄与したとの見方を示した。また、この2カ国の輸出は確保されている上、行き過ぎた通貨安がみられていないと強調された。

これとは対照的に、輸出減速が目立っているロシア、ブラジル、アルゼンチンでは、通貨暴落と株式市場の急落を経験した。

専門家は、国際通貨基金(IMF)特別引出権(SDR)への元組み入れに伴い、元の国際化が一段と前進していると指摘。この流れの中、元の為替レートを人為的にコントロールせず、市場原理に任せるべきだと強調した。一方、輸出が安定的に成長すれば、為替レートが多少の乱高下があるものの、暴落などを避けられるはずだとの見方を示した。
《ZN》

 提供:フィスコ

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