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【市況】<株式トピックス>=一時1ドル=117円台突入で来期業績に暗雲

 8日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比69円38銭安の1万7697円96銭で5日続落となり、15年9月30日以来約3カ月ぶりの安値水準となった。年初からの5日続落は、日経平均株価の算出を始めた1950年9月以来初めてという。5日間合計の下落幅は1335円に達した。

 市場関係者からは「近い将来、全体相場は戻りに転じる可能性は高い。ただ、外国為替相場での円相場が一時、1ドル=117円台半ばまで上昇したのは懸念材料。自動車、電機、機械など主力輸出企業の見通しに暗雲が立ち込めてきた」との見方が出ていた。

 昨年12月の日銀短観によると、大企業・製造業の今期想定為替レートは119円40銭(上期実績120円84銭、下期予想118円)となっており、下期想定の118円を超える円高ゾーンに入ってきたことになる。現在進行中の16年3月期は、残りが2カ月余りとなっていることもあり、影響は限定的といえる。

 問題は、今年4月以降の17年3月期。もし、この円高が一過性に終わらずに続くようなことになれば、17年3月期の“想定為替レートは=115円”ということにもなりかねない。ここ1年あまり1ドル=120円前後の、輸出企業にとって居心地の良い状態が続いていただけに、円高の厳しさが身に染みる可能性が高い。(冨田康夫)

出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)

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