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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は上値が重い、米雇用統計で利上げペース見極め


今日の欧米外為市場では、ドル・円は上値が重い展開となりそうだ。前日までの中国市場の混乱で市場センチメントは弱気になり、米利上げペースは当初の見込みよりも緩やかになるとの悲観的な見方が広がりつつあるためだ。ドル・円は短期的に底を打ったかもしれないが、今晩の雇用統計の内容が予想よりも強含む内容にならないと、積極的なドル買いにはつながにくい見通し。

8日のアジア取引時間帯では、人民元の対ドル基準値が小幅元高方向に設定された影響で、上海総合指数や日経平均株価が上昇する場面があった。市場にはやや安心感が広がったことから、ドル・円は短期的な売りが一服し、118円を回復。しかし、ある邦銀関係者は「弱気な市場センチメントは変わりなく、目先の状況次第では再び117円台に逆戻りする可能性がある」と述べた。

今晩は、22時半発表の米雇用統計が注目される。12月非農業部門雇用者数は、11月の+21.1万人に対し、+20.0万人と予想されている。現時点で米利上げペースの市場コンセンサスは年4回だが「年初からの混乱を考慮すれば、当初の想定から緩やかになるとの見方が市場に広がりつつある」と同関係者は指摘する。市場の警戒感が根強いことを考慮すると、雇用統計は予想を上振れないと積極的なドル買いは期待できない。

また、サウジアラビア軍のイラン大使館への攻撃など中東情勢の緊張が一段と高まっている。雇用統計が年4回の利上げペースを後押しする堅調な内容だったとしても、こうした地政学リスクがドルの上値を抑えよう。このため、目先119円の回復は想定しにくい。

【今日の欧米市場の予定】

・17:15 スイス・12月消費者物価指数(前年比予想:-1.2%、11月:-1.4%)
・18:30 英・11月貿易収支(予想:-105.00億ポンド、10月:-118.27億ポンド)
・22:30 米・12月非農業部門雇用者数(予想:+20.0万人、11月:+21.1万人)
・22:30 米・12月失業率(予想:5.0%、11月:5.0%)
・22:30 カナダ・12月失業率(予想:7.1%、11月:7.1%)
・24:00 米・11月卸売在庫(前月比予想:-0.1%、10月:-0.1%)
・01:30 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演(経済見通し)
・03:00 ラッカー米リッチモンド連銀総裁講演(経済見通し)
・05:00 米・11月消費者信用残高(予想:185.0億ドル、10月:159.82億ドル)

《SY》

 提供:フィスコ

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