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【特集】MRT Research Memo(4):医師目線でのWebサービス提供体制と医師ネットワークが強み


■医療関係人材紹介市場とMRT<6034>の強み

●非常勤医師紹介(外勤紹介)市場
非常勤医師に対する医療現場の需要は非常に大きいと言われている※2。これは、1)全国的に医師不足が慢性化しており、自院内で医師補充ができる医療機関は数少なく、患者数と医師の絶対数が合わない需給のアンバランス状態に陥っていること、2)地方医療機関及び専門的な診療科目では常勤医師のみでは医療の質を維持できない状況にあること、などが背景にある。

※2厚生労働省が2010年9月に公表した「病院等における必要医師数実態調査の概要」からうかがえるように、同年6月1日時点の医療機関に勤務する非常勤の医師数(約3万人、週当たり延べ勤務時間数を40時間で除して常勤換算)は、医師数全体(医療機関に勤務する現役医師数約16万7千人)の18.3%を占める。

●同社の強みと競合
こうした状況下で、同社の強みは、1)インターネットを活用した「医療」情報プラットフォーム、2)「現役医師」が設立した「医師目線」のサービス、3)創業来構築してきた信頼関係を元にした「医師ネットワーク」、の3点に集約できる。

医療分野の人材紹介に当たっては、専門性の高い人材を相手とするため、緊急手術、急患対応などの即時対応性、大学派閥の人事特殊性、専門的スキルと経験等を理解した上で迅速な対応が要求される。同社の紹介システムは医師が快適かつ迅速に外勤探しができるようにインターネットを活用しており、創業来培ってきた業務経験・ノウハウによる医師ネットワークの事業基盤があり、医師目線で医師の利便性を重視したサービス体制を整えている。

主力事業である非常勤医師紹介に関しては、医療業界に関する特殊性を理解することが必要不可欠となるため、参入障壁は高く、競合は少ないのが現状。加えて、同社の医師ネットワークが口コミや紹介をベースに構築されてきたことにより差別化が図られていると考えられ、紹介件数は順調に増加する傾向にある。一方、スタッフが介在する常勤医師紹介などに関しては、参入障壁は低く、一般の人材紹介会社との競合も多いものの、同社の注力事業ではない。

●事業・その他のリスク
リスクとして、同社の中長期的な成長ドライバーになると予想される2016年1月からサービス開始予定の遠隔医療健康相談「ポケットドクター」などの新規事業の成否を挙げることができる。「ポケットドクター」に関しては、2017年3月期にかけてプロモーション費用の増大などが想定されるため、同社の目論見どおりに事業が進捗しない場合、業績にマイナス影響を及ぼす可能性がある。

また、同社の人材紹介先である医療機関は、「医療法」及び「薬事法」等の医療関連法規則等の影響を受けるため、これらの法規制等の改正等が生じた場合には、事業、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

《RT》

 提供:フィスコ

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