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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~上海売買停止で底入れ見極めづらく、短期需給に振らされやすい


7日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・上海売買停止で底入れ見極めづらく、短期需給に振らされやすい
・ドル・円は118円12銭付近、中国市場の混乱受け118円割れ
・テーマ株の循環物色の流れがLINE関連銘柄に


■上海売買停止で底入れ見極めづらく、短期需給に振らされやすい

日経平均は大幅に続落。324.28円安の17867.04円(出来高概算12億1000万株)で前場の取引を終えた。欧米株安の流れを受けて続落で始まった東京市場は、その後は下げ渋りをみせる場面もあった。しかし、中国人民銀行(中央銀行)が人民元の中心レートを引き下げると、為替市場での円高に先物市場が即座に反応する格好から下げ幅を拡大。

さらに、中国市場で再びサーキットブレーカーが発動したことが嫌気される格好となり、日経平均は昨年10月15日以来の18000円を割り込んだ。その後も下げ幅を拡大させており、下落幅は300円を超えている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1600を超えており、全体の8割を占めている。セクターでは33業種全てが下げており、鉱業、その他金融、鉄鋼、精密機器、海運、非鉄金属、機械、輸送用機器などの弱さが目立つ。

中国市場は終日取引停止となるため底入れが見極めづらく、東京市場もリバウンドを意識しづらい状況であろう。売り方優勢の中ではリバウンドをみせたとしても、戻りの鈍さが意識されてしまうと、戻り待ちの売りに押されてしまう。そのため、模様眺めムードとなり、短期的な需給要因による変動にとどまりやすい。

一方で、週足の一目均衡表では雲下限が17700円処に位置しており、あと100円程度で目先的なボトムが意識されやすい。インデックスに絡んだ売買が中心のため商いの薄いところを下げている面もあり、ショートカバー等で急速に戻りをみせてくる可能性もある。そのため、先物の動向には注視する必要があるだろう。

また、材料株についても短期資金の逃げ足の速さから値動きが荒い状況である。センチメント悪化が警戒されやすいが、資金回転が速い分、シコリはそれ程残らないため、仕切り直しのタイミングを見極めたいところである。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は118円12銭付近、中国市場の混乱受け118円割れ

ドル・円は118円12銭付近で推移。中国市場の取引停止など混乱を受け、リスク回避の動きが広がった。

中国株式市場が大幅安によって取引停止となった影響で日本株の下げ幅は拡大。株安を嫌気したリスク回避の円買いは継続しており、ドル・円は昨年8月以来、4カ月半ぶりに118円を割り込み、一時117円67銭まで下落した。

足元で人民元安は一服したが、先安観は払拭されていないこともドルの上値を抑える一因となっている。また、ランチタイムの日経平均先物は売りが小休止しているもようだが、市場の警戒感は強まっており、ドル・円は午後も売りに振れやすい展開となろう。

12時28分時点のドル・円は118円12銭、ユーロ・円は127円80銭、ポンド・円は172円79銭、豪ドル・円は83円17銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・Fリテ<9983>、ファナック<6954>、日東電<6988>で日経平均を約69円押し下げ
・テーマ株の循環物色の流れがLINE関連銘柄に
・投資判断引き上げの東燃ゼネ<5012>、目標株価引き上げのポーラオルHD<4927>がしっかり

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・16:00 独・11月製造業受注(前月比予想:+0.1%、10月:+1.8%)
・16:00 独・11月小売売上高(前月比予想:+0.5%、10月:-0.4%)

《SY》

 提供:フィスコ

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