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【市況】上海売買停止で底入れ見極めづらく、短期需給に振らされやすい/ランチタイムコメント


 日経平均は大幅に続落。324.28円安の17867.04円(出来高概算12億1000万株)で前場の取引を終えた。欧米株安の流れを受けて続落で始まった東京市場は、その後は下げ渋りをみせる場面もあった。しかし、中国人民銀行(中央銀行)が人民元の中心レートを引き下げると、為替市場での円高に先物市場が即座に反応する格好から下げ幅を拡大。
 さらに、中国市場で再びサーキットブレーカーが発動したことが嫌気される格好となり、日経平均は昨年10月15日以来の18000円を割り込んだ。その後も下げ幅を拡大させており、下落幅は300円を超えている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1600を超えており、全体の8割を占めている。セクターでは33業種全てが下げており、鉱業、その他金融、鉄鋼、精密機器、海運、非鉄金属、機械、輸送用機器などの弱さが目立つ。

 中国市場は終日取引停止となるため底入れが見極めづらく、東京市場もリバウンドを意識しづらい状況であろう。売り方優勢の中ではリバウンドをみせたとしても、戻りの鈍さが意識されてしまうと、戻り待ちの売りに押されてしまう。そのため、模様眺めムードとなり、短期的な需給要因による変動にとどまりやすい。
 一方で、週足の一目均衡表では雲下限が17700円処に位置しており、あと100円程度で目先的なボトムが意識されやすい。インデックスに絡んだ売買が中心のため商いの薄いところを下げている面もあり、ショートカバー等で急速に戻りをみせてくる可能性もある。そのため、先物の動向には注視する必要があるだろう。
 また、材料株についても短期資金の逃げ足の速さから値動きが荒い状況である。センチメント悪化が警戒されやすいが、資金回転が速い分、シコリはそれ程残らないため、仕切り直しのタイミングを見極めたいところである。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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