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【特集】ムサシ Research Memo(8):収益動向により特別配当を実施、安定配当の信頼度と増配期待は高い


■株主還元

ムサシ<7521>は株主還元について配当によることを基本としており、将来の成長のために内部留保の充実を図ることと、業績の成果に応じた利益還元に努めることを、基本方針としている。同社は業績の成果を還元するに際しては、普通配当に特別配当を組み合わせるスタイルを採用している。ここ数年は普通配当を20円で固定し、そこに業績の変動に応じて特別配を上乗せするというパターンが定着している。

同社がこのような配当パターンに至った背景には、業績が選挙というタイミングを読めないイベントに大きく左右されるためと考えられる。仮に業績が下振れした場合でも、それが一時的なものであると判断できれば普通配は維持している。2000年に入ってからこれまでの15年間で、無配は1度もなく、投資家の安定配当に対する信頼度と、業績上振れの際の増配期待への信頼度はともに非常に高いものと思われる。

2016年3月期については、同社は期初の時点では配当予想を普通配当20円としている。前期は特別配当10円が上乗せされていたため、その分だけ減配という形になる。同社は今第2四半期に際して通期業績予想を上方修正したが、配当予想は据え置いた。その結果、今通期の予想配当性向は21.5%となる。今期は(前期対比で)減益予想ということではあるが、今後の収益動向によっては、配当上振れとなる可能性はあると弊社では見ている。

株主還元については2017年3月期に注目している。参院選挙が実施される年であることと、同社の創立70周年であるからだ。業績拡大期と周年行事が合わさるなかで同社がどのような株主還元あるいは配当政策を出してくるか、大いに注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《SF》

 提供:フィスコ

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