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【特集】ハピネット Research Memo(4):大ヒットした妖怪ウォッチのピークが過ぎた影響で減収減益


■業績動向

(1) 2016年3月期第2四半期の業績概要

●損益状況
ハピネット<7552>の2016年3月期第2四半期の連結業績は、売上83,993百万円(前年同期比10.1%減)、営業利益1,837百万円(同22.2%減)、経常利益1,857百万円(同23.1%減)、四半期純利益1,185百万円(同34.7%減)となった。大ヒットした「妖怪ウォッチ」が落ち着いたことから主力の玩具事業が減益となったことに加え、アミューズメント事業もリード商材がなかったことから減益となった。

各事業の状況は以下のようであった。(注)営業利益は内部消去前

a)玩具事業
セグメント売上高は34,742百万円(前年同期比12.0%減)、営業利益は1,256百万円(同24.5%減)となった。売上げをけん引してきたバンダイのキャラクター商材「妖怪ウォッチ」が落ち着いたことなどから減収・減益となった。

期末の在庫処分金額は520百万円(前年同期630百万円)へ減少した。一方で、年末商戦に向けて「妖怪ウォッチ」を定番化するために在庫を積み上げたことから、期末の在庫金額は4,600百万円(同3,400百万円)に上昇し、在庫回転率は19.8回(同26.6回)へ低下した。この在庫を年末商戦でうまく販売できるかによって下半期の業績は大きく変わってくる。

b)映像音楽事業
売上高は17,352百万円(同18.8%減)、営業利益は144百万円(同0.9%減)となった。パッケージ市場全体が低迷するなかで売上高は低調に推移したが、オリジナル商品の利益率が改善したことから利益は堅調に推移し前年同期比では微減にとどまった。

c)ビデオゲーム事業
ソフト配信やスマートフォン向けゲームの普及の影響などによりパッケージ市場全体が低迷するなか、任天堂のWiiUソフト「スプラトゥーン」等のヒット商材に恵まれたことから売上高は20,212百万円(同1.4%増)、営業損失50百万円(同61百万円の損失)となった。市場環境は依然として厳しい中で増収、利益改善を達成した。在庫の処分金額は140百万円(同90百万円)、期末在庫金額は1,000百万円(同1,200百万円)となった。

d)アミューズメント事業
売上高11,686百万円(同7.6%減)、営業利益1,154百万円(同8.7%減)となった。売上高はカプセル玩具自動販売機商材は移動式を使ったイベントの企画実施等によって順調に推移した。一方でキッズカードゲーム機商材は前年同期に比べてリード商材がなかったこと等により低調に推移した。この結果、前年同期比で減収・減益となった。

●財政状況
2016年3月期第2四半期末の財政状況は、流動資産は54,772百万円(2015年3月期末比2,323百万円増)となったが、主に現金及び預金の減少875百万円、棚卸資産の増加2,897百万円などによる。棚卸資産が増加したのは、年末商戦に向けた季節変動によるものと、「妖怪ウォッチ」を定番化するために意図的に在庫を積み増したことによる。固定資産は7,670百万円(同227百万円増)となり、その結果、期末の総資産は62,443百万円(同2,550百万円増)となった。

負債は31,908百万円(同1,595百万円増)となったが、主に売上減少による未払金の減少1,323百万円、年末商戦に向けての仕入債務の増加4,269百万円による。また四半期純利益の計上により純資産は30,535百万円(同955百万円増)となった。

●キャッシュフローの状況
2016年3月期第2四半期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローは167百万円の支出であったが、主な収入は税金等調整前純利益の計上1,853百万円、仕入債務の増加4,269百万円で、主な支出は棚卸資産の増加2,897百万円、法人税の支払額1,054百万円などによる。投資活動によるキャッシュフローは371百万円の支出であったが、主に無形固定資産の取得による。財務活動によるキャッシュフローは336百万円の支出となったが、主に配当金の支払いによる支出338百万円による。

この結果、2016年3月期第2四半期の現金及び現金同等物は875百万円の減少となり、期末残高は14,992百万円(前期末15,867百万円)となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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