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【特集】翻訳センター Research Memo(1):業績は堅調に推移、通期では過去最高の更新を見込む


翻訳センター<2483>は、翻訳業界の国内最大手である。医薬分野の専門翻訳会社として創業し、特許、工業・ローカライゼーション、金融・法務などに分野を拡大してきた。現在は翻訳だけでなく通訳、派遣、国際会議企画・運営(コンベンション)、通訳者・翻訳者教育などに多角化し、顧客企業のグローバル展開における幅広い外国語ニーズに対応する。

翻訳・通訳市場は企業のグローバル化を背景に安定成長している。多数の中小プレーヤーがひしめく分散業界において、同社はいち早く専門分野に特化し、組織化・システム化された営業・制作機能に強みを持つ。結果として、提供価値(品質、スピード、コスト)のバランスが良く、大規模化や多言語化などの新しい顧客ニーズにも対応でき、顧客満足度が高い。国内翻訳業界1位、世界の語学サービス企業で14位、アジアでは4年連続1位のポジションである。

2016年3月期第2四半期は前期比で減収減益ではあるものの、子会社売却などの影響を除くと当初の計画通りに推移しており、堅調と言えるだろう。2016年3月期計画は、売上高9,500百万円(前期比308百万円増)、営業利益550百万円(前期比45百万円増)と、売上高、利益ともに過去最高の更新を見込む。引き続き、医薬分野、工業・ローカライゼーション分野を中心に翻訳事業売上高が477百万円伸長する計画だ。売上高の第2四半期進捗率は44.9%であるが、下期に活況を呈する事業特性から、計画達成のハードルは高くないと考えられる。

成長戦略の1つとして具現化したのが、2015年4月に設立された多言語コンタクトセンター事業「ランゲージワン(株)」(持分法適用関連会社。同社の出資比率は49%)である。24時間365日 、7ヶ国語(英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、ロシア語)で、増加するインバウンド需要に対応するサービスだ。既に鉄道会社、官公庁・自治体、医療分野などで実績を積み上げ、2015年10月には単月黒字化を達成した模様だ。通期での黒字を見込む来期以降の業績貢献を期待したい。

■Check Point
・組織化・システム化された営業機能・制作機能
・業績は期初計画通りに推移、通期は増収増益を見込む
・無借金経営を続けており流動比率、自己資本比率も高い

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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