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【経済】中国:大株主の売却禁止令解除迫る、当局は新規定で売り圧力緩和か


中国本土マーケットでは今週8日、大株主や経営陣などによる保有株の売却禁止措置が解除される見通しだ。この「禁止令」の解除により、大口株主による潜在的な売り圧力が強まる形となる。市場へのマイナス影響が懸念されるなか、アナリストらの間では「当局が何らかの対策を打つ」との見方が強まっている状況。◆売り圧力を分散させるような新規定を発表する、◆「窓口指導」の形で売却を制限する??といった対応が予想されている。
この禁止措置は昨年夏場の株価急落時に、6カ月間の時限措置として導入されたもの。中国証券監督管理委員会(証監会)は7月8日、上場企業の株式5%以上を保有する大株主や役員に対し、同日付で保有株の売却を禁止すると通知した。当局があらためて通知を出さない限り、同措置は1月8日で終了する。
中国国際金融(CICC)によれば、禁止令解除の対象となる株式の規模は1兆1000億人民元(約20兆円)相当。売り圧力(ネットベース)は、1月だけで1500億人民元(約2兆7830億円)に達する見込みという。
当局の今後の対応について、CICCは禁止令そのものが延長される可能性は低いと予測。当局がこれまでに実施した相場救済策を徐々に解除しているためだ。ただ、禁止令の解除に際し、保有株売却の規模やペースを制限する新規定が発表される可能性はあるとの見方を示した。このほか海通証券や国泰君安証券では、当局が「窓口指導」を通じて、売り圧力を分散させると予測している。
一方、上場企業の間では、自主的に大株主の売却を制限する方針を示す動きも見られる。例えば世紀華通(002602/SZ)は、「筆頭株主の華通控股が2017年1月9日まで、流通市場で保有株を売却しないことを約束した」と発表した。このほかにも、複数の企業が同様の方針を表明している。
なお、4日の本土マーケットでは主要指数が軒並み急落。うち上海、深センの主要300銘柄で構成する「滬深300指数(CSI300指数)」の下落率は7%に達した。これを受け、今年導入されたばかりのサーキットブレーカー制度が発動され、現地時間の午後1時33分に全株式の取引が停止された。売却禁止令の解除や中国の景気減速、人民元相場の下落に対する警戒感が株価急落の背景にある。


【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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