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【市況】<株式トピックス>=日水の異彩のストップ高に関心集まる

 24日の東京株式市場は、前日の海外株高を背景に高く始まったものの、その後は買いが続かず後場に入ると日経平均株価はマイナス圏で次第安の展開となった。日経平均株価は、前営業日比97円01銭安の1万8789円69銭と4日続落。東証1部の売買代金は1兆9362億円と2営業日連続して2兆円の大台を割り込んだ。

 こうした閑散軟調地合いのなか、異彩を放って市場関係者の関心を集めたのが日本水産<1332>だった。朝方から大量の買い注文を集めてカイ気配を切り上げる展開。大引けでようやくストップ高比例配分で値をつけるという強烈な買い人気となった。日水は、発行済株式数2億7721万株、日経平均株価225種採用の銘柄でもあり、決して小型株ではない。それが、大引けまで値がつかないような買い人気を集めるのは稀なことだ。

 株価急騰の直接の要因となったのは、有力証券会社2社のアナリストリポートが同時に発表されたこと。SMBC日興証券は、22日付のリポートで、16年3月期は南米の鮭養殖事業が営業赤字転落するデメリットを、食品事業とファインケミカル事業が支えると指摘。17年3月期以降は、養殖事業の安定化へ向けた経営施策が講じられ、ファインケミカル事業では需給がタイト化するEPA(エイコサペンタエン酸=イワシやサバなど青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸)の原料供給面での差別化戦略が本格化すると解説している。「食品株を代表する経営変化銘柄」と評価し、レーティングを「2」から「1」に、目標株価を390円から960円に引き上げている。

 また、みずほ証券も22日付で投資判断を「中立」から「買い」に、目標株価を340円から910円に引き上げている。サケ・マス相場の底入れを背景としたチリサケ・マス養殖子会社の業績改善見通しと、米国など海外市場開拓を目指すEPA事業の中期ポテンシャルに注目したことが投資判断や目標株価引き上げの理由としている。
 あす以降なんらかの波及があるのかに注目が集まる。(冨田康夫)


出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)

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