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【通貨】欧米為替見通し:資源国通貨は下げ渋りも、ロシアルーブルの一段安に警戒


今日の海外市場では、資源国通貨が下げ渋る展開となりそうだ。原油価格が安値圏ながらやや持ち直す動きとなっていることが背景。ただ、原油の世界的な供給過剰懸念による中長期的な先安感は後退しておらず、ロシアに関しては原油安が財政システム維持に影響を与えやすいことから、ロシアルーブルには一段安への警戒感が続くとみる。

原油先物価格の指標であるウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は21日に一時33.98ドルまで下げ、2009年2月以来、6年10カ月ぶりの安値となる33.55ドルに接近した。また、北海ブレント原油先物は同じ日に一時36.17ドルと、2004年7月13日以来、約11年半ぶりの安値を付けた。ただ、米エネルギー情報局(EIA)が23日に発表した米原油在庫は予想に反して在庫が減少し、供給過剰懸念はやや弱まった。これを受け、足元はWTIが37.70ドル付近(24日16時現在)まで、ブレント原油は37.60ドル付近(同)まで、値を戻している。また、ドルの下落も原油相場の上昇を支援しそうだ。

こうした原油価格の戻りを受け、カナダドルやロシアルーブル、ブラジルレアルなど資源国通貨は売りが一服。今日の取引ではさらに値を戻す展開を予想する。ただ、ロシアルーブルは8月以来、4カ月ぶりの安値圏で推移。足元は節目の70ルーブル付近手前で下げ止まっているが、世界的な原油の供給過剰感は弱まっていないため、ブレント原油価格が再び下げる展開となれば敏感に反応しやすい。ロシアの場合、原油価格の一段安は財政システム維持の観点からデフォルト(債務不履行)懸念につながりかねないため、ブレント価格とルーブルの値動きにはなお警戒感が必要だ。

【今日の欧米市場の予定】

・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:27万件、前回:27.1万件)
・米国市場はクリスマスイブで短縮取引
・金はNY時間午後0時30分、株式は1時、原油は1時30分、債券は2時に終了予定
・英・仏も短縮取引
・独、ブラジルは休場

《SY》

 提供:フィスコ

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