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【特集】EMシステムズ Research Memo(3):主力の調剤薬局向けシステムはシェアトップ


■会社概要

(2)事業概要

手掛ける事業は、システム事業及びその関連事業とその他の事業の2事業からなる。2015年3月期の売上構成比(セグメント間内部取引消去前)はシステム事業及びその関連事業が98.0%、その他の事業が2.0%であった。

(a)システム事業及びその関連事業
システム事業及びその関連事業は、調剤薬局向けを中心とする医療機関向けに医療事務処理コンピュータシステムを開発、システム構築、販売、操作指導、メンテナンスまでの一貫したサービスを提供。ソフトウェアの開発はEMシステムズ<4820>※、販売は同社と連結子会社のコスモシステムズ(株)、(株)ユニコンの3社が行うほか、販売代理店経由でも行う。中国の連結子会社である益盟軟件系統開発(南京)有限公司は調剤向けで同社の開発部門からの受託開発を行うほか、医科向けは非連結の持分法非適用会社である意盟軟件系統開発(上海)有限公司が受託開発を行う。
※2014年3月期までは医科システム開発は持分法適用会社メデファクトが当たっていたが、設立目的を達成したと判断したため、2014年7月に解散した。

サービス品目別では、調剤システム、医科システム、ネットワークシステム、サプライ、保守サービスに分類できる。2015年3月期のシステム事業及びその関連事業売上高(セグメント間内部取引消去前)に占める割合は、調剤システム65.8%、医科システム10.5%、ネットワークシステム1.4%、サプライ15.2%、保守サービス7.1%。

●調剤システム
調剤薬局向け医療事務処理コンピュータシステム(製品名:「Recepty NEXT」※1)で、自社開発のソフトウェアを市販パソコンに導入調整してユーザーに納入。販売は直販・販売代理店経由に加えて、OEM供給。ユーザー数は2015年3月期末時点で15,631件、9月末時点では15,759件へ増加している。
※1調剤システム、電子薬歴、情報共有、モバイル端末ASPサービスの全てを融合し、従来製品(Recepty)に比べ操作性を向上させた。加えて、同社のデータセンターのサーバーに記録が保存される仕組みとなっており、東日本大震災のような万一の時でもデータが消失することなく利用できるのが特徴。

●医科システム
クリニック・無床診療所向けの医療事務処理コンピュータシステム及び電子カルテシステム(製品名:「MRN(Medical Recepty NEXT)」※2)で、同社または(株)ユニコンが自社開発したソフトウェアをパソコンに導入調整しユーザーに直販、または販売代理店経由で販売する。
※2ユーザーである医療機関や医師のニーズに合わせて「MRNカルテスタイル」と「MRNクラークスタイル」の2つのタイプを用意。カルテスタイルは電子カルテとレセコン機能を融合させたもの。クラークスタイルはレセコン機能だけだが、導入後の拡張性を持たせた設計になっている。調剤システム同様に初期費用負担を抑え定額の月額(ソフトウェア使用権)使用料を支払う仕組み。さらに、2016年3月期からは他社製レセコンのリプレースを狙い2014年3月期に子会社化した(株)ユニコンのシステムの使いやすさを継承した「ユニメディカルクラークスタイル」を7月に投入した。

●ネットワークシステム
主な製品はASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)によるインターネットを利用した調剤レセプト支援システム。チェーン薬局間の情報共有と本部統括管理を実現するシステムやチェーン薬局以外の在庫情報等を共有することができるシステム等。

●サプライ
主要な商品は、調剤システム及び医科システムで使用するレセプト用紙、薬袋、プリンタ用インク等で、同社が販売する。

●保守サービス
システムを導入したユーザーに対してシステムの保守サービスを行っている。同社のハードウェア保守と(株)ユニコン及びコスモシステムズ(株)の保守サービスが売上集計対象。

(b)その他の事業
連結子会社(株)ラソンテが新大阪ブリックビル(同社が保有する本社ビル)内において運営するスポーツジム「LASANTE」と「LASANTE GOLF」、保育園「LaLa Kids」及び貸会議室事業、並びに新大阪ブリックビルの運営管理からなる。さらに、2015年5月からブリック薬局が調剤薬局事業を展開している。なお、2015年3月末時点のビル入居率は99.1%であったが、9月末時点は100%となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

《SF》

 提供:フィスコ

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