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【経済】中国:「中央経済工作会議」閉幕、来年も緩和的な金融政策継続か


中央経済工作会議が21日閉幕し、来年の中国の金融政策や財政政策の動向に注目が集まっている。こうしたなか、複数の官製メディアは22日、中央経済工作会議のコミュニケを分析。各メディアは総じて、「来年は緩和的な金融政策が続き、預金準備率引き下げ余地はなお大きい」とする見方を伝えた。

金融政策に関し、中央経済工作会議では「穏健な金融政策は適度に機動性を強める必要があり、構造的な改革に適した通貨・金融環境をつくる」との方針が決定された。これを踏まえ、新華社傘下の経済参考報は、来年の金融政策について、「成長の安定化に向けた血液を送り、緩和気味の金融政策が続く」と分析。「来年の資本流出規模が今年に比べて約3分の1減少すると仮定した場合、広義の通貨供給量(M2)伸び率12%を維持するためには、2.0~2.5%の預金準備率引き下げ、つまり4~5回の預金準備率引き下げが必要になる」とするスタンダード・チャータード銀行エコノミストの見解を引用した。また中国証券報も、景気下振れ圧力が大きい情勢の下、マクロ経済政策は緩和が適時強化されるべきと伝えている。

市場でも、スタンダード・チャータード銀行のように、来年も預金準備率引き下げが続くとの見方が大勢。申万宏源証券は「来年は計6回の預金準備引き下げが実施される」と予想した。

<財政政策、デフレ環境でより大きな役割発揮か>

財政政策に目を向けると、中央経済工作会議では「拡張的な財政政策を強化し、段階的に財政赤字を引き上げる」との方針を決定した。これについて中国証券報は、「デフレ環境で、金融政策の顕著な効果が発揮しにくいなか、財政政策は構造的な調節の役割を発揮できる」と指摘。すでに供給された資金の活用や適度な赤字率の引き上げ、構造的な減税、債務借り換え、資産証券化、官民パートナーシップ(PPP)などを含め、財政政策は拡張の余地があるとの見方を示した。

他方、今年の中央経済工作会議は会期が4日間と、例年に比べて長かったことにも注目が集まっている。

2000年以降の会期をみると、2002年と2012年が2日間、2013年は「中央都市化会議」も併せて開催されたことで4日間だったが、それ以外は3日間。今年4日間にわたった背景について、市場では、「経済情勢が厳しいうえ、株式市場が乱高下したため、今年の中央経済工作会議は各種項目の『反省会』になった」、「個別の政策を打ち出すのに不調和が生じた」、「来年から第13次5カ年計画が始まるため、今回の中央経済工作会議は2015年だけでなく、向こう5年の方向性を定める必要があった」といった観測が流れている。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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