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【経済】東芝のインドネシア工場、中国企業に30億円で売却


テレビ生産大手の創維数碼HD(スカイワース・デジタル:751/HK)は21日引け後、東芝<6502>からインドネシアのテレビ工場を買収すると発表した。同工場を保有する東芝コンシューマー・プロダクツ・インドネシアの全株式を2508万米ドル(約30億円)で取得する。買収の手続きは2016年3月末までに完了する見通し。買収終了時点での資産状況を踏まえ、価格は最高で3010万米ドル(約36億円)に引き上げられる可能性がある。

また、東芝はテレビ工場と同じ敷地内にある洗濯機工場を閉鎖。その上で、スカイワースが同工場の土地・建物を買収する。このほか、東芝はアジア地域(中国除く)でのテレビ事業についても、「ブランド供与型ビジネス」への移行を予定しており、スカイワースがその商標占使用権を取得することで合意した。

スカイワースは今回の買収を通じ、事業エリアを東南アジアへと拡大する形だ。収入減の多元化が進み、リスク分散につながると説明している。

一方、不正会見問題で揺れる東芝は、不振が続く家電事業をテコ入れすることで、経営の立て直しを図る。前述のインドネシア工場の売却のほか、国内外で約1万人の大規模な人員削減を実施する予定だ。リストラに伴う費用などで、2016年3月期の純損失は、過去最悪の5500億円に達する見通し。

スカイワースはテレビ販売台数で国内トップ。市場シェアは販売台数ベースで17.3%、売上高ベースで16.8%と、いずれも首位(15年9月まで1年間の統計)。うち高解像度の4Kテレビでは、シェアがそれぞれ20.0%、17.9%に達する。国内出荷が大半だが、海外メーカーのOEM・ODM生産も受託。08年4月、韓国LGディスプレイ(LGD)と提携した。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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