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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は下値では底堅い、原油安が下押しも米利上げ方針がサポート


今日の海外市場では、ドル・円は下値では底堅い展開となりそうだ。前週末の日銀による追加金融緩和の先送りをきっかけに失望の円買い基調に振れているものの、値ごろ感による買戻しが観測される。原油安を背景にリスク回避の動きがドル・円の上値を押し下げる可能性はあるが、米連邦準備制度理事会(FRB)による2016年以降の利上げ方針によるドル先高観が下支えする見通し。

「日銀から一足早いクリスマス・プレゼントが贈られてきたと思って箱を開けたら、中身が入っていなかった」??ある邦銀関係者は18日に日銀が追加金融緩和を先送りし、補完措置にとどまったことが足元のドル売り・円買い基調のきっかけと指摘する。そのうえで、今日の海外市場では、代表的な原油先物価格の指標であるウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の値動き次第でドルは一段安となり、121円を割り込む展開を予想する。WTIは今朝、年初来安値を更新し、一時34.32ドルまで下落。2008年12月に付けたリーマン・ショック後の安値32.40ドルが視野に入っている。

しかし、ドルは下値で買い意欲が見込まれている。FRBが15-16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で9年半ぶりの利上げに踏み切った。これに関連し、米リッチモンド地区連銀のラッカー総裁は18日、利上げペースは「緩やかになる」としながらも「米経済は安定し、将来に向けて良い位置にある」と述べ、欧州中銀など他の中銀とは金融政策の方向性が異なることを強調。来年に向けたドル先高観から「120円後半は値ごろ感でドル買い意欲は強い」と先の邦銀関係者はみており、下落局面でも120円半ばからさらに下げる展開は想定しにくい。

【今日の欧米市場の予定】

・22:30 米・11月シカゴ連銀全米活動指数(予想:0.20、10月:-0.04)

《SY》

 提供:フィスコ

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