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【特集】ネットイヤー Research Memo(6):通期計画に対する進捗は順調、下期は先行投資による費用増を見込む


■今後の見通し

(1)2016年3月期の業績見通し

ネットイヤーグループ<3622>の2016年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.6%増の7,500百万円、営業利益が同43.6%減の250百万円、経常利益が同44.1%減の250百万円、当期純利益が同102.7%増の150百万円と期初計画を据え置いている。

第2四半期までの通期計画に対する進捗率は、売上高が49%となっているのに対して、営業利益は87%、経常利益は86%といずれも高い進捗となっている。このため、通期業績の増額も期待されるが、同社では大型プロジェクトの売上げが第2四半期まででほぼ一巡し、下期は減少に転じることに加えて、人員体制強化のための費用や新サービスの開発費、社内の情報セキュリティ強化費用など来期以降の成長に向けた先行投資などを行う計画となっており、これらの費用負担増により減益になるとしている。また、大型プロジェクトの下期売上げ見込みとしては上期比で10億円程度の減少を見込んでおり、これをカバーするための受注確保も必要となってくる。当期純利益が増益となるが、これは前期に特別損失として減損損失187百万円(rakumoののれんを一括償却した)を計上したのに対して、当期は特別損失の計上予定が無いことが要因となっている。

なお、人員体制の強化について期初段階では通期で100名程度の増員を予定していたが、上期実績で26名にとどまっており、通期でも50名程度の増員に留まる可能性がある。費用面では教育費や採用費などが減少する可能性はある。

2017年3月期に向けては、大型案件の一巡による売上減少が懸念されるものの、同社では「UX(ユーザーエクスペリエンス)」を起点としたデジタルマーケティング戦略の企画・提案力を強みに、新規受注の拡大を進めていく方針で、後述する新サービスの販売強化も進めながら増収増益を目指していく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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