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【特集】ネットイヤー Research Memo(4):第2四半期は大幅な増収増益、オムニチャネルプロジェクトなど寄与


■決算概要

(1)2016年3月期第2四半期累計業績について

10月11日付で発表されたネットイヤーグループ<3622>の2016年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比13.4%増の3,667百万円、営業利益が同59.4%増の216百万円、経常利益が同56.1%増の214百万円、四半期純利益が同115.9%増の132百万円と大幅増収増益となった。

業績が大きく伸びた要因は、2015年11月に運用が開始されたセブン&アイホールディングスのオムニチャネルプロジェクト「omni7」関連の売上高が寄与したことや、自社プロダクトについても「rakumo」を中心に前年同期比31%増と好調に推移したことが主因だ。

オムニチャネルプロジェクトでは企画の構想段階から参画し、「omni7」の重要な窓口となる統合ECサイト、海外高級ブランドを集めたラグジュアリーECサイト「e.CASTEL(イー キャステル)」、ECアプリにおいて、情報設計、デザイン、プロトタイピング、フロントエンドの開発まで、100名規模の専任体制で担当し、計画通りに進捗した。売上高としては前年同期比倍増となる14億円程度だったとみられる。

また、自社プロダクトの売上高としては前年同期比31%増となり、連結売上高に占める比率は前年同期の9.9%から11.4%に上昇した。子会社のrakumoが販売するクラウド型グループウェアソフト「rakumo」のユーザー数が9月末で880社、ID数で28.9万件(前年同期末は595社、18.8万件)と大幅伸長したほか、トライバルメディアハウスの「ブームリサーチ」(ソーシャルメディアの口コミ分析サービス)や「エンゲージマネージャー」(ソーシャルメディア統合管理ツール)なども順調に拡大した。トライバルメディアハウスの売上高としては前年同期比20%増収となっている。

「rakumo」に関しては、スケジューラー機能や交通費精算機能など間接業務の生産性向上に寄与する機能が好評で、導入社数を伸ばしている。また、「ブームリサーチ」や「エンゲージマネージャー」などはSNSを活用したマーケティング施策を導入する企業が増えていることが、売上増の要因となっている。

営業利益の増減益要因をみると、大型プロジェクトに人材を集中的に投下したことによる外注費、プロジェクト経費の増加や、人員体制強化に伴う人件費や採用費、教育費などの増加を増収効果でカバーした格好だ。なお、子会社のトライバルメディアでは2015年1月にベトナムに開発子会社を新設しており、開発体制の強化(10名程度採用)を図っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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