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【特集】ネットイヤー Research Memo(3):ストック型ビジネスモデルの比率を将来的に50%程度に引き上げる目標


■事業概要

(2)事業内容

ネットイヤーグループ<3622>が事業領域とするデジタルマーケティングとは、企業活動において自社Webサイトを中心に、既存メディアや営業、コールセンター、店舗などと連携させるマーケティング手法で、企業や自治体などのクライアントに対して、新たなデジタルマーケティング戦略を提案・実践していくことで、クライアントが目標とするブランド価値の向上や売上成長、業務変革の推進などの成果を導いていくサービスとなる。

同社の特徴は、Web上での「ユーザーエクスペリエンス(UX)」を高めることに焦点を当てたシステム開発・設計を行っていることにある。ユーザーエクスペリエンスとは直訳するとユーザー体験のことだが、ここでは「自社Webサイト上に利用者が訪問した際に体験すること、また体験して興味・関心も持ってもらうこと」を指し、「ユーザーエクスペリエンス」を高めることで、商品の購入につなげる、あるいはその企業のファンになってもらう、ということが最終的な目標となる。

デジタル情報化社会の到来で、情報が湯水のごとく溢れ、またその情報を入手する媒体やデバイスツールの多様化が進むなかで、この「ユーザーエクスペリエンス」を高めて行くことは、今まで以上に重要になってきている。このため、サービスはクライアントごとのカスタムサービスとなる。一般的に開発期間は3ヶ月程度、長いものでも1年程度となっている。プロジェクト管理は比較的容易で、開発スケジュールが遅延することもほとんどない。また、システム開発部分に関しては大半を外注で賄っている。受注単価は10万円から100百万円を超えるものまで案件によって様々だが、最近では「データ分析・活用」を採り入れたマーケティング手法の重要性が高まっており、プロジェクト単価も上昇する傾向にある。

同社の強みとしては、企画力の高さやマーケティングに対する先進的な感覚を持つ人材が多いという点が挙げられる。また、プロジェクトマネジメント力やシステムの安定性、信頼性なども顧客から高く評価されている。

カスタムサービス以外では自社開発プロダクトの販売にも注力している。トライバルメディアハウスのソーシャルメディア統合管理ツール「Engage Manager」や共創マーケティングプラットフォーム「cocosquare(ココスクウェア)」、2013年8月に子会社化したrakumoの業務用グループウェアソフト「rakumo」などだ。また、第三者の製品ラインアップとして米Salceforce.comやOracleのマーケティングオートメーションツール、GoogleやAdobeのアクセス解析ツールなどの販売・導入支援も行っている。自社開発プロダクトに関しては、月額課金によるストック型のビジネスモデルとなっており、2015年9月期の売上構成比では11.4%となっており、将来的にはこの比率を50%程度まで高めていくことを目標としている。

クライアントの業種は、小売業や製造業、金融業、情報通信サービス業など幅広い業界に渡っており、同社が展開するデジタルマーケティング支援事業については日本を代表する大企業を中心に200社以上、自社開発プロダクトについては大企業から中小企業まで幅広く、「rakumo」を中心に1,100社弱の顧客を持つ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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