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【通貨】欧米為替見通し:円弱含みか、日銀補完措置で来年以降の緩和に期待感


今日の海外市場では、円は弱含む一方、ドルなど主要通貨は底堅い値動きとなりそうだ。日銀が今日発表した補完措置をきっかけに、来年以降に追加金融緩和に踏み切るとの思惑が広がる可能性があるためだ。措置の内容自体は積極的な円売りの手がかりにはなりにくいが、欧米株や原油価格の下落でリスク回避の動きとなっても、主要通貨を下支えする材料として意識されよう。

日銀は17-18日に開いた金融政策決定会合で、ゼロ金利政策を補完する措置の導入を賛成6、反対3の賛成多数で決めた。ETFの買い入れで新たに3000億円の枠を設けるほか、買い入れ国債の平均残存年限を従来の7-10年から7-12年程度に変更する、などが主な内容。2%の物価目標の早期実現に向けた事実上の金融緩和措置と市場関係者は受け止めている。

ある外為ストラテジストは日銀の対応について「内容自体に大きなインパクトはないが、来年以降の追加金融緩和に向けた一歩だ」と評価する。実際、黒田東彦総裁は午後に記者会見し、「必要ならちゅうちょなく調整を行う観点から補完措置を決定した」と説明している。

もともと、海外勢は日銀の追加金融緩和への期待が高く、海外市場では今日の日銀の対応を前向きに評価される可能性があろう。18日午後時点で欧米株式先物はマイナス圏で推移しているほか原油価格も引き続き安値圏で推移しており、ドルなど主要通貨は弱含む可能性が高い。しかし、日銀の補完措置が、主要通貨の売りを弱めると予想する。

【今日の欧米市場の予定】

・18:00 ユーロ圏・10月経常収支(9月:+331億ユーロ)
・22:30 カナダ・11月消費者物価指数(前年比予想:+1.5%、10月:+1.0%)
・23:45 米・12月サービス業PMI速報値(予想:55.9、11月:56.1)
・03:00 ラッカー米リッチモンド連銀総裁講演(経済見通し)
・EU首脳会議(ブリュッセル、最終日)

《SY》

 提供:フィスコ

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