【市況】後場に注目すべき3つのポイント~じりじりとリバウンド基調が続きやすい需給状況に
17日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・じりじりとリバウンド基調が続きやすい需給状況に
・ドル・円は122円58銭付近、日本株高受け堅調推移
・電子部品の一角がさえない、インバウンド関連には安心感も
■じりじりとリバウンド基調が続きやすい需給状況に
日経平均は大幅に続伸。436.87円高の19486.78円(出来高概算10億9000万株)で前場の取引を終えた。FRB(連邦準備制度理事会)は、FOMC(連邦公開市場委員会)において予想通りにゼロ金利政策を解除し、利上げを始めることを全会一致で決めた。金融政策の方向性が明確になったことが好感され、16日のNYダウは220ドル超の上昇。この流れを受けたシカゴ日経225先物は大阪比230円高となるなか、これにさや寄せする格好から主力大型株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。
その後、19400円を回復した後は、高値圏でのこう着が続く中、一時19500円を回復する場面もみられた。円相場は1ドル122円60銭辺りと、やや円安に振れて推移していることも買い安心感につながっている。また、日銀の金融政策決定会合への思惑等も買い戻しを誘う格好になっているようである。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1700と全体の8割を占める。セクターでは33業種全てが上昇しており、保険の上昇率が4%を超えている。
市場参加者は限られているとみられるが、その中をインデックスに絡んだ商いによって上げ幅を拡大させている。日経平均は25日線が19570円辺りに位置しており、この抵抗ラインをクリアしてくるようだと、短期にはショートカバーの流れが強まりやすいだろう。
一方で、全面高商状とはなっているが、昨日は後場半ば辺りから中小型株に値を崩す動きが目立っていた。資金の回転が速いこともあり、引け際の動きには注意する必要がありそうだ。
とはいえ、明日の日銀の金融政策決定会合を控え、12月での追加緩和はないにせよ、売り込みづらい需給状況であろう。そうなると、じりじりとリバウンド基調が続きやすい需給状況とも言えそうだ。
(株式部長 村瀬智一)
■ドル・円は122円58銭付近、日本株高受け堅調推移
ドル・円は122円58銭付近で推移。米連邦準備制度理事会(FRB)が9年半ぶりの利上げに踏み切り、米国株の上昇を受けた日本株高でドル買いに振れている。
日経平均株価は前日比400円超上昇したほか、アジア諸国の株式が総じて上昇していることから、ドルは強い動きを見せている。短期筋などは122円20銭近辺でドル買い興味を見せており、ドル一段高の展開。
また、ランチタイムの日経平均先物が引き続き堅調地合いのため、ドルは午後も買いが入りやすい展開となろう。
12時25分時点のドル・円は122円58銭、ユーロ・円は132円98銭、ポンド・円は183円20銭、豪ドル・円は87円98銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・Fリテ<9983>、ファナック<6954>、KDDI<9433>が日経平均を約89円押し上げ
・投資判断引き上げの住友鉱<5713>、西武HD<9024>、中国電<9504>がしっかり
・電子部品の一角がさえない、インバウンド関連には安心感も
☆後場の注目スケジュール☆
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《SY》
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