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【特集】<話題の焦点>=コンビニ交付サービス拡大中

国や大手企業のマイナンバー対応投資はほぼ終了

 税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制度は、通知カードの配達が当初の予定より大幅に遅れるなどスタートから混乱をみせたが、今週になってようやく初回配達分が概ね完了するなど徐々に落ち着き始めた。

 一方、1兆円規模ともいわれるマイナンバーに関連したIT投資に関しては、国や地方自治体のシステム改修、大手企業の対応はほぼ終了したといわれており、今後は中小企業や自治体のマイナンバー周辺のIT投資が活発化するとみられている。そこで注目したいのは、マイナンバーカードを利用した住民票などのコンビニ交付サービスに向けたIT投資だ。

導入自治体は来年度中に3倍へ

 コンビニ交付サービスとは、マイナンバーカードを利用し、コンビニエンスストアの情報端末で住民票の写しなどを取得できる仕組み。既に、一部自治体では住民基本台帳カードを使って同じサービスを提供しているが、住基カードそのものが普及していないことから、導入している自治体は12月11日時点で100団体にとどまっている。

 しかし、マイナンバー制度を機に導入を検討している自治体は多く、総務省の調べによると、全国約1700自治体のうち800団体が導入する方針で、16年度に308団体、18年度に351団体まで導入自治体は増える見通しだという。当然、コンビニ交付サービスの開発を手掛ける企業のビジネスチャンスは拡大する。

 システム開発を手掛けるのは、日立製作所<6501>やNEC<6701>、富士通<6702>や、専業としてもITホールディングス<3626>などの大手ベンダーが中心。ただ、TKC<9746>の「コンビニ交付システム」が神戸市や宇都宮市で採用されているほか、AGS<3648>も11月から「証明書コンビニ交付サービス」の提供を開始すると発表した。今後はこうした専業・中堅のシステム会社の活躍も増えそうだ。

出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)

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