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【特集】伊藤忠エネクス Research Memo(7):第2四半期に示された「稼ぐ力」で通期予想達成の可能性は高い


■業績見通し

(1) 2016年3月期通期見通し

伊藤忠エネクス<8133>は2016年3月期通期について、売上高1,350,000百万円(前期比1.7%減)、営業利益16,800百万円(同28.2%増)、税引前利益15,200百万円(同25.1%増)、当期利益8,200百万円(同49.0%増)を予想している。これらの予想値に、期初予想から変更はない。第2四半期決算が好調だったものの、原油市況動向などリスク要因もあり、同社自身は業績達成について決して楽観はしていない。弊社では、今第2四半期決算で示された同社の“稼ぐ力”が今下期もワークして、通期予想達成の可能性は高いと考えている。

同社の中期経営計画においては、2015年3月期と2016年3月期の営業利益増益額37億円の内訳として、ホームライフ事業23億円、カーライフ事業4億円、電力・ユーティリティ事業2億円、エネルギートレード9億円と想定している。前述した第2四半期決算のセグメント別業績動向と照らし合わせると、カーライフ事業、電力・ユーティリティ事業、及びエネルギートレード事業の3部門については、同社が計画する下期の取り組みに専念することで、計画達成は十分可能であると期待される。

一方、ホームライフ事業は、LPガスの在庫分が原油価格(ひいてはそれに連動するLPGのCP価格)の影響を受けるため、業績未達のリスクは残る。このリスクをどうカバーするかが最大のポイントだ。前述のように第2四半期で見られた機器販売増加と新規顧客開拓によるLPガス販売量の確保が、今下期も順調に進展すれば原油価格の影響をカバーできる可能性は高いと考えている。

原油価格自体は、今期に入っても弱含みで推移しているとはいえ、一時的には反転の動きも見せている。2015年3月期は期初から期末にかけて、原油価格が約47%下落した。2016年3月期については、2015年3月末から2015年10月末までの下落率が約15%にとどまっており、マグニチュードとしては前期に比べてかなり小さくなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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