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2015年12月16日16時10分

【特集】伊藤忠エネクス Research Memo(6):産業用燃料販売、船舶燃料、フリートカードなどが堅調に推移


■各事業部門の動向

(4)エネルギートレード事業

エネルギートレード事業は2016年3月期第2四半期において、減収ながらも大幅増益を達成した。減収は取引の中で非効率なものを抑制した結果であり、これは当初からの方針だ。利益面では、主力の一角を占めるアスファルトが販売数量減と原油価格下落の影響で不振だったが、産業用燃料販売、船舶燃料、フリートカードなどの他のすべての事業が堅調に推移したことが増益につながった。

伊藤忠エネクス<8133>は今下期の取り組みのテーマとして事業基盤の強化と新事業展開の推進の2つを掲げている。事業基盤強化という点では、同社は、アドブルー供給拠点やアスファルト船、船舶燃料配給船など、専用施設を多数保有している。こうしたアセットの存在は同社の競争力強化においては有効に働くと弊社では考えている。また、総合エネルギー企業としての強みを生かしたエネルギーベストミックス提案や、車両リースと法人燃料カードの連携提案なども、顧客囲い込みにおいて有効になるとみている。新事業では2016年3月期においてスロップ・再生油事業(石油タンカーから生ずる廃油の再利用)とフライアッシュ事業(石炭火力発電所などで発生する石炭灰をセメントの骨材として利用)がスタートする。これらの立ち上がり具合も注目点だ。

短期的には、アスファルトの需要回復が注目点だ。同社はアスファルトの国内シェア20%超を握るトップ企業であるが、それゆえ事業環境悪化の影響を受け、今第2四半期は減益要因となった。下期は本来需要期に当たり、また、これまで停止していた公共投資が動き出すと期待されるため、アスファルト需要が反転してくることを弊社では期待している。

中長期的に同社が目指すエネルギートレード事業の目指す姿は、様々な産業用商品・ビジネスが一定の規模感を持って多数存在し、事業部門としての収益安定性が増大した状況のようだ。今第2四半期決算でも、アスファルトの不調を他の事業部門がカバーして増益という構図となったが、より安定度を高め、また事業部門としての成長を図るために、新規事業の展開に積極的な点が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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