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2015年12月16日15時46分

【特集】明豊ファシリ Research Memo(6):受注が拡大しているCM事業やCREM事業は増益見通し


■今後の見通し

(1) 2016年3月期業績見通しについて

明豊ファシリティワークス<1717>の2016年3月期の業績見通しは、売上高が前期比17.5%減の6,800百万円、営業利益が同5.7%減の690百万円、経常利益が同4.9%増の590百万円、当期純利益が同17.1%増の410百万円となる見通し。期初計画に対して売上高のみ1,000百万円減額修正したが、これはオフィス、CREM受注案件において、アットリスク方式よりピュアCM方式を選択する顧客が想定よりも多かったことによる。社内で管理する売上粗利益については、ほぼ期初計画どおりに推移しており、受注も若干上回るペースとなっていることから、利益ベースでは期初計画を据え置いた格好となっている。

事業セグメント別で見ると、オフィス事業は上期の流れが続き減収減益が見込まれるものの、受注が順調に拡大しているCM事業やCREM事業は増益となる見通しだ。CM事業については、アットリスクCM案件である大阪府立大学プロジェクトの売上高が前期の2,223百万円から1,200百万円程度に減少するため今期も減収が続くことが予想されるが、2017年春に開業予定の「レゴランド・ジャパン」や、大手企業の研究開発施設、商業施設など新規案件の寄与などもあり、粗利益ベースで増益となる見通しだ。また、CREM事業についても継続案件が順調に推移することで、通期でも増益が見込まれる。

(2)公共工事分野で本格普及が期待されるCM業務

2014年6月に「公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部改正」が行われ、CMサービスも含めた多様な入札・契約方式の活用を公共分野でも検討する動きが出始めている。同法律改正の目的は、公共工事に携わる末端の工事業者や設備業者など中小規模の事業者が、適正な利益を得ることができずに廃業してしまう状況が続き、こうした問題を解決するため、発注者(地方自治体)が適正な入札価格の設定を行うと同時に、旧来型の入札方式だけでなく、多様な入札方式を活用することで全体コストの最適化を図ることが狙いとなっている。同法律の改正によって発注者側は専門的な観点から適正な入札予定価格の設定や発注業務などを行う必要があるが、建設分野での専門的な知識や発注作業・管理などの運用ノウハウを持った人材が不足しているところも多く、そうした自治体を中心に今後、CMサービスなどの導入が本格化していくものと予想される。

地方財政が厳しくなるなか、国交省でもこうした取り組みを支援する動きを始めている。2014年度に多様な入札契約方式を活用したモデル事業として5件を採択したほか、2015年度も同様に5件のモデル事業を採択した。この中で同社は2014年度に1件、2015年度に2件のプロジェクトを受託しており、「明豊のCM」のブランド力は地方自治体の中でも着実に浸透しているものと思われる。

また、国交省では地方自治体でのCM活用を促進するため、CMの事例集及びリーフレットを2015年度中に作成することを決定した。地方自治体からも「CMの導入効果や活用の仕方が分からない」と言った声が多く寄せられたためだ。こうした声を受け、国交省では公共工事のほか民間工事も対象に、CMの導入効果をコストやスケジュール管理、品質確保といった観点で体系的に整理し、事例集としてまとめることとしている。

同社の地方自治体向けCM案件での成功事例としては、2014年5月に千葉県市原市から受注した新防災庁舎建設プロジェクトがある。基本設計段階を含めたプロジェクト全体のCM業務を受注したが、2015年4月に行われた入札で、当初予定価格を約1割下回る価格で契約が決まっている。ここ1~2年は建築コスト高騰により、入札価格が高すぎて入札不調に終わるケースが目立っていたなかでのこの結果は、他の地方公共団体からも高い注目を浴び、「明豊のCM」の認知度向上にもつながったと言える。

実際、今期に入って地方公共団体からの問い合わせも増加している。2015年度分については既に予算が決まっているため、業績への影響はないが、2016年度以降の受注拡大が期待できる。人的リソースも限られるため、受注が大きく拡大するわけではないが、公共分野でも今後着実に成長していく可能性が高まったと言えよう。

同社では今まで「フェアネス」と「透明性」を企業理念として、情報の可視化や高いサービス品質を提供し続けることで顧客企業からの信用を得て、継続受注や新規顧客の紹介などにつなげてきた。地方自治体においても、同社のCMサービスが評価される可能性は極めて高い。また、地方自治体においては老朽化した施設など多数保有しており、その改修あるいは転用などに頭を悩ませているところも多いだけに、CREM事業でも受注が拡大していく可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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