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2015年12月16日15時45分

【特集】明豊ファシリ Research Memo(5):16/3期2Qは減収営業減益となるが、受注案件数は増加傾向に


■業績動向

(1) 2016年3月期第2四半期累計の業績動向

11月9日付で発表された明豊ファシリティワークス<1717>の2016年3月期第2四半期累計の業績は、売上高が前年同期比37.6%減の2,288百万円、売上総利益が同2.7%減の686百万円、営業利益が同7.7%減の160百万円、経常利益が同3.4%増の152百万円、四半期純利益が同7.1%増の100百万円となった。

売上高は前年同期比、会社計画比で減収となったが、これは当初の想定と比べて、顧客がアットリスクCMよりもピュアCMでの契約を選択するケースが多かったことが主因となっている。また、アットリスクCM案件である大阪府立大学プロジェクトの出来高が第4四半期へ約80百万円時期ズレしたこと(粗利益で数百万円のマイナス影響)や、今期に入ってからの大型受注案件の長期化等も当初計画より営業利益が下回った要因となっている。

大型受注案件としては、レゴランド・ジャパン(2017年開業)や奈良県立医科大学の再整備事業など現在進行中の複数の長期プロジェクトに加えて、5月に横浜市立市民病院再整備事業(総工費426億円、2020年開院予定)、6月に福島県のJヴィレッジ復興・再整備事業(福島県復興のシンボルとして2019年4月までに新たな価値を持った世界トップクラスの施設へと再整備する事業)のCM業務を受注するなど、案件数が増加傾向にある。長期プロジェクトは進行状況に連動して進行基準により売上を計上するため、当初は売上高が小さくなる傾向がある。

ただし、同社が社内で管理する粗利益ベースでの受注高は、当初計画及び前年同期比でいずれも数%上回るなど順調に推移している。大手民間企業から「顧客側に立つプロ」として、徹底したコスト削減のみならず、プロジェクト早期立ち上げ支援や、事業化支援業務といった上流工程からの引き合いが増加しているのが要因で、同社のサービスが「発注支援業務=明豊のCM」として認知されてきた証左と言えよう。ちなみに現在、同社が関わっているCM案件の総工費を積み上げると総額で2,700億円規模になり、CM業界の中ではトップとみられる。

なお、販管費が前年同期比で1.1%減となったが、これは売上粗利益ベースでの計画未達を踏まえて、業績連動分の賞与負担を当初計画より軽減したことや、その他経費の抑制による。販管費の抑制と営業外収支の改善によって経常利益、四半期純利益は期初計画を達成した。

(2)事業別動向

○オフィス事業
オフィス事業の売上高は前年同期比54.8%減の1,013百万円、営業利益は同18.7%減の123百万円となった。大企業におけるグループ企業の統廃合、地方拠点の集約化、大規模な新築ビルの竣工時同時入居プロジェクトなど、難易度の高い事業所移転において引き続き高い優位性を発揮し、リピート受注を獲得した。ただ、アットリスクCM案件の出来高が減少したことや、ここ最近は大手不動産会社が自ら営業し、内装工事にも取り組み始めていることなども影響して減収減益となった。

○CM事業
CM事業の売上高は前年同期比7.3%減の766百万円、営業損失は22百万円(前年同期は0.5百万円の損失)となった。労務費や資材の高騰による建築予算超過に悩まれた顧客からの引き合いや、工場、研究所、医療施設等の建設を伴う新規事業のプロジェクトなどの受注を獲得したほか、バブル期に建設された建物の老朽化による空調・電気設備の更新案件なども民間、公共機関含めて幅広い顧客から受注した。

主な公共分野での受注案件としては、大阪府立大学の学舎整備事業を6年連続で受注したほか、横浜市立市民病院再整備事業や福島県のJヴィレッジ復興・再整備事業を受注した。また、国交省の多様な入札方式によるモデル事業として、前期に続いて当期も東京都の府中市と清瀬市の2つの庁舎建設プロジェクトに関するアドバイザリー業務を受託している。

売上高に関しては大阪府立大学のプロジェクトを含めアットリスクCM案件の出来高が減少したことで減収となり、利益面でも納期の長い大型プロジェクト案件が増加したこともあって若干のマイナスとなったが、社内で管理する売上粗利益ベースでの受注は順調に拡大している。

○CREM事業
CREM事業の売上高は前年同期比14.3%減の508百万円、営業利益は同161.0%増60百万円となった。同社のCM手法を使った工事コスト管理や、顧客保有資産のデータベース化による資産情報の集中管理(「多拠点同時進行プロジェクト管理システム」)など、顧客ニーズに合わせて事業性を高めることができる同社の専門性、マネジメント能力が着実に評価を高めており、複数の商業施設、オフィスビル等を保有する大企業や首都圏、近畿圏の金融機関からのリピート受注を中心に堅調に推移した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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