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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~次第に中小型株やフィンテックなどテーマ株にシフトか


16日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・次第に中小型株やフィンテックなどテーマ株にシフトか
・ドル・円は121円73銭付近、日本株高受け買戻し
・通信大手の上昇目立つ、NTTドコモ<9437>は6.8%高


■次第に中小型株やフィンテックなどテーマ株にシフトか

日経平均は大幅に反発。395.93円高の18961.83円(出来高概算10億9000万株)で前場の取引を終えている。前日に1バレル35ドルを割り込んでいた原油先物価格が37ドル台を回復し、欧州株式相場も堅調推移となるなか、米国市場ではNYダウが156ドル高となった。この流れを受けてシカゴ日経225先物は大阪比295円高の18845円と大幅に上昇しており、これを引き継ぐ格好から幅広い銘柄に買いが先行した。

その後は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果待ちとなるなかで、高値圏でのこう着感が強まっていたが、前場半ば辺りからじりじりと上げ幅を拡大させてきている。セクターでは空運が唯一下落となる一方で、証券、情報通信、保険、銀行、その他金融、石油石炭、輸送用機器、非鉄金属が3%を超える上昇となっている。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1500を超えており、全体の8割を占めている。

日経平均はギャップ・アップで前日の下落部分を一気に吸収し、その後は5日線レベルを捉えてきている。一目均衡表では雲上限を突破してきており、売り方の買い戻しも入りやすい需給状況のようである。また、米利上げが確実視されるなかで、メガバンクなど金融セクターが堅調に推移していることも買い安心感につながる。

ただし、インデックスに絡んだ商いが中心のため、KDDI<9433>、ソフトバンクグ<9984>、ファナック<6954>などのインパクトが大きい。そのため、日経平均が400円近く上昇する中でも、やや手掛けづらさもあるとみられる。日経平均が19000円を捉えたとしても、FOMCの結果待ちのなかでは一段の上昇は考えづらく、次第に中小型株やフィンテックなどテーマ株にシフトしやすいだろう。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は121円73銭付近、日本株高受け買戻し

ドル・円は121円73銭付近で推移。日経平均株価の上昇を受け、買戻しが入りやすい地合い。

ドル・円は日経平均が高寄したことを受け、ドル買い先行となり、一時121円90銭まで上昇した。その後は利益確定売りも観測され、121円59銭まで下げる場面もあった。ただ、ランチタイムの日経平均先物が堅調推移となっていることから、ドル・円は午後も買いが入りやすい見通し。

米連邦準備制度理事会(FRB)による政策決定を控え、動きづらいなか、リスク回避的な円買い・ドル売りが増える状況ではないとみられている。ただし、新たな材料が提供されない場合、ドルは122円近辺で伸び悩む可能性があるとの声が聞かれた。

12時26分時点のドル・円は121円73銭、ユーロ・円は133円20銭、ポンド・円は183円26銭、豪ドル・円は87円70銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・KDDI<9433>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>が日経平均を約64円押し上げ
・投資判断格上げのスクエニHD<9684>、目標株価引き上げの小野薬<4528>がしっかり
・通信大手の上昇目立つ、NTTドコモ<9437>は6.8%高


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:00 日銀・企業物価指数・2015年基準改定の基本方針
・16:00 11月訪日外国人客数

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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