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2015年12月15日16時53分

【特集】J-オイルミルズ Research Memo(2):オリーブオイルや機能特化油などの高付加価値商品が好調


■会社概要

(1)沿革

J-オイルミルズ<2613>の前身は、味の素製油とホーネンコーポレーションが2002年に経営統合した豊年味の素製油。これに吉原製油が参画して2003年にJ-オイルミルズが誕生した。その後、3社のノンコア事業(非食用油脂事業)の再編や統合、製品ブランドの強化、原料調達や物流を含めたSCM(サプライチェーンマネジメント)の強化などにより、事業基盤の再構築に取り組んできた。

成長戦略では、2007年に加工用油脂(マーガリン等の製菓・製パン材料)の強化を目的に豊年リーバ(株)を100%子会社化したほか、不二製油(株)との業務提携により業務用油脂や加工用油脂を強化してきた。

海外においては、2011年以降にタイ、中国、インドにおいて現地パートナーとの提携や合弁会社の設立を行い、展開を加速させている。

(2)事業概要

同社の事業は、主力の「製油事業」と「その他」に分けられ、売上高の91.1%(2016年3月期第2四半期)、営業利益の86.9%(同、共通費用調整前)は製油事業から生み出される。製油事業は、原料の大豆や菜種の調達・搾油・精製・販売までを一貫して行っており、油そのものを扱う油脂部門と搾油の際の粕を扱う油糧部門(ミール)に分類される。

油脂部門は、味の素ブランドでキャノーラ油などを扱う「家庭用」、外食や中食向けの「業務用」、調味料メーカー向けの「加工用」、マーガリン等を扱う「加工油脂」の4つに分けられる。「家庭用」では、オリーブオイルやごま油などの高付加価値商品が好調であり、業務用においても「長調得徳」シリーズなどコスト低減や利用者の作業性向上をセールスポイントにした商品が伸びている。

油糧部門は、油脂と並ぶ基盤事業である。特に大豆の場合には、ミール(油糧)の発生量が多く、金額ベースではミール(油糧)が約60%、油脂が約40%であり、ミール(油糧)が油脂を上回る。

「その他」の事業は、食品から化学品、医薬品まで幅広いが、製油事業での強みを生かし、独自の技術・ノウハウを持つものが多い。なかでも、次世代の柱として期待されるのが、レジスタントスターチや機能性のある加工でん粉を扱うスターチ部門、大豆シートが好調な健康食品部門、レクチン(特殊なたんぱく質)のトップメーカーとしての技術力を活用したメディカルサイエンス部門である。

(3)事業特性

製油事業は、外部環境の影響を受けやすい。同社の原料調達の特徴として、大豆は米国、ブラジルなどから、菜種はカナダ、豪州などからほぼ100%輸入される。仕入価格は、大豆はシカゴ市場、菜種はウィニペグ市場(カナダ)の相場に連動する。相場価格は、新興国の旺盛な食糧需要を背景に上昇傾向にはあるが、天候による作柄や作付面積、投機資金などにも影響され変動する。さらに外国為替レートも仕入コストに影響する。

同社のビジネスモデル上、油脂と同様に重要性が高いのがミール(油糧)事業だ。搾油により油脂とミール(油糧)に分離され、ミール(油糧)は飼料・肥料・醸造メーカーに販売される。国内のミール価格は、国際価格や輸入ミール価格、外国為替レートに影響される。原料調達コストが上がった場合でも、ミール(油糧)を高値で販売できればマイナス面をカバーでき、言わば緩衝材の役割を果たす。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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