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【経済】NYの視点:【12/8IMM】円、ユーロ売り持ち減少、米FOMC利上げに警戒感も


12/8付けのシカゴIMM、投機・投資家筋のポジションで円売り持ち高、ユーロ売り持ち高はそれぞれ前週から減少した。

◎12/14週のポイント

原油やジャンク債市場動向、米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まる。米連邦準備制度理事会(FRB)は15-16日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)でFF金利誘導目標の0-0.25%のレンジを0.25%引き上げ0.25-0.50%とする見込み。

利上げがほぼ確実視されている中、過去7年間ゼロ金利の恩恵を受けてきた高リスク資産の価格が崩れつつあることが懸念材料となる。利上げがリスク資産市場に与える影響がどの程度の規模に収まるかが焦点。南アフリカや、ブラジルなどでは政局混乱にまで発展し米国の利上げが直接的ではないが金融市場に影響を与える可能性がある。米国のハイイールド債ファンドからの資金の流出はここ数年で最も早いペース。サードアベニューマネージメントは9日、「サード・アベニュー・フォーカスト・クレジット・ファンド(FCF)」の運用資産の一部について、清算受託者の下に移管し、清算を進めると発表。7.88億ドル規模のクレジットミューチュアルファンドで秩序立った形での清算を可能にするため、顧客による換金を停止した。サードアベニュー本体に問題はないが、2008年以降最大のファンド清算と伝えられている。

クレジット市場で高まる緊張を示す兆候となり、ジャンク債投資家に警戒感を与えた。本年はじめからハイイールド市場の崩壊を警告していた米国の著名投資家アイカーン氏は「残念ながら、ハイイールド市場の崩壊は始まったばかり」とツィートしている。ジャンク債市場は価格が過大評価されているとたびたび指摘されていた。流動性が非常に低いことが問題だと加えた。

連邦公開市場委員会(FOMC)は利上げを実施することによる高リスク資産価格の下落が与える影響は「管理可能」と見ているようだ。しかし、金融市場での変動率上昇は避けられそうもない。FOMCや市場が予想しえなかったイベントが発生する可能性もある。

●米国
15日:11月コア消費者物価指数(CPI):予想前年比+2.0%、10月+1.9%
15-16日:連邦公開市場委員会(FOMC):予想FF金利誘導目標の0-0.25%のレンジを0.25%引き上げ0.25-0.50%、イエレンFRB議長会見、連邦準備制度理事会(FRB)の経済予測summary of economic projections (SEP)
16日:11月住宅着工件数:予想前月比+7.6%、114万件(106万件)

●日本
17-18日:日本銀行、金融政策決定会合:予想マネタリーの増加方針を年80兆円で維持、黒田日本銀行総裁会見

●欧州
17-18日:欧州連合(EU)首脳会議

●中国
12日:11月小売売上高:予想11.1%(10月11.0%)、11月鉱工業生産:前年比+5.7%(10月5.6%)

●地政学的リスク
ウクライナ紛争
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン


【IMM】

*日本円
ネット・円売り持ち:-68,050(12/8)←円売り持ち:-74,901(12/1)(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)

*ユーロ
ネット・ユーロ売り持ち:-172,331(12/8)←ユーロ売り持ち:-182,845(12/1)(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)

*ポンド
ネット・ポンド売り持ち:-23,902(12/8)←ポンド売り持ち:-28,258(12/1)(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)

*スイスフラン
ネット・スイスフラン売り持ち:-25,540(12/8)←スイスフラン売り持ち:-24,789(12/1)(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)

*加ドル
ネット・加ドル売り持ち:-40,138(12/8)←加ドル売り持ち:-38,980(12/1)(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)

*豪ドル
ネット・豪ドル売り持ち:-33,579(12/8)←豪ドル売り持ち:-46,648(12/1)

《NO》

 提供:フィスコ

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