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【特集】日本トリム Research Memo(1):ウォーターヘルスケア事業が好調、売上高は上半期で過去最高を更新


整水器国内トップの日本トリム<6788>は10月28日、2016年3月期第2四半期の連結決算を発表した。売上高、利益ともに前年同期比で2ケタの伸びを示した。売上高は上半期としては過去最高を更新した。整水器を展開する主力事業の「ウォーターヘルスケア事業」で過去最高の販売台数を達成したことが大きな要因である。今期から特に力を入れている広報・広告活動が奏功したほか、ペットボトル入りの水素水を発売するメーカーの増加などにより水素水の認知度が上がったことで整水器の市場も拡大したことなどが販売台数増に結び付いた。

また、ウォーターヘルスケア事業の新規分野である農業分野でも、進展が見られた。農業用の整水器は、レンタル・販売台数が徐々にではあるが着実に伸びている。さらに、7月に、この整水器の水で栽培した野菜「還元野菜(登録商標)」の検証・普及・ブランディング推進を目的に高知県・南国市・JA南国市、高知大学と連携協定を結んだ。産官学協同体制での当事業の進展促進が期待される。

ウォーターヘルスケア事業に次ぐ第2の柱として今後の成長が期待される事業である「医療関連事業」も、着実に進展している。国内の臍帯血保管事業は9月末時点で3万5,736件の保管件数となった。営業人員の採用による営業圏の拡大などで更なる伸長に取り組んでいる。再生医療関連法の制定によって臍帯血を使った臨床試験が進むと期待されることから、事業拡大に拍車がかかる可能性もある。
電解水透析事業は機能を高度化した次世代電解水透析用システムの開発が進み、本年末から試験導入がスタートし、2016年夏頃から本格的な販売を目指す。遺伝子関連事業では、検査時間の短縮と複数の遺伝子検査ができる次世代型診断機器向けの遺伝子診断キットの開発が進められ、基本的な技術開発を経て、製品化に取り組んでいる。

同社は、「家庭用医療機器メーカーからメディカルカンパニーへ」を大きな目標に掲げており、2016年3月期を「トリムグループ大躍進の年」と位置付けている。下半期も上述したトピックスのほかに電解水素水の優位性を実証する研究開発の強化、整水器の広報・広告活動を継続していく。また今後、厚い自己資本や自社株の活用によりM&Aも検討するとしている。通期予想は据え置きとなったが、売上高、利益ともに2ケタの成長を目指しており、第2四半期の実績から推測すると、予想は十分に達成を期待できそうである。

■Check Point
・利益率の高いウォーターヘルスケア事業が全体の増益をけん引
・通期業績予想は2ケタ増収増益を見込む、配当性向引き上げにも可能性
・「家庭用機器メーカーからメディカルカンパニーへ」を経営目標に掲げる

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

《HN》

 提供:フィスコ

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