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【市況】幻のSQでセンチメント改善、FOMC通過後のアク抜け意識も/ランチタイムコメント


 日経平均は反発。188.75円高の19235.30円(出来高概算15億3000万株)で前場の取引を終えた。米株高の流れを受けて買い先行の展開が意識されていたが、先物オプション特別清算指数算出(SQ)に絡んだ商いが、差し引きで売り越しだったことが影響し、日経平均は続落で始まった。しかし、SQの需給要因が通過したことにより、その後はじりじりと切り返す展開に。為替市場では1ドル122円台を回復するなど、円安に振れていることも買い安心感につながり、日経平均は一時200円を超える上昇に。
 東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1300を超え、全体の7割を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも上昇しており、特に中小型株指数の強さが目立つ。セクターでは医薬品、電気機器、空運、繊維、鉄鋼、精密機器、機械などが堅調。一方で、水産農林、石油石炭、鉱業、保険、銀行が冴えない。

 日経平均は売り一巡後は強いリバウンドをみせている。メジャーSQに絡んだ売買が売り越しだったこともあり、SQ値は18943.54となった、これが幻のSQとなっており、投資家のセンチメントを明るくさせている。ただし、足元で大きく下げていた反動もあるため、自律反発の域ではある。一先ず前日の下落部分を吸収し、5日線に接近してきており、目先的には達成感が高まりそうである。
 とはいえ、来週発表される日銀の企業短期経済観測調査(短観)について、大企業の製造業の景気判断が小幅ながら悪化すると予測するところが多い。17・18日に控えている日銀の金融政策決定会合への思惑なども意識されやすい。市場のコンセンサスとしては、12月ではなく、来年1月の金融政策決定会合での緩和の可能性とみる向きが大勢だが、16・17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げがアク抜けにつながる可能性もある。年末高を意識したセンチメントは日増しに強まることも考えられよう。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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