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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~底堅さを見極め、GPIF直接投資がPKOとしての思惑に


9日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:底堅さを見極め、GPIF直接投資がPKOとしての思惑に
■外資系証券の注文動向:差し引き970万株の売り越し
■前場の注目材料:ラクス<3923>が東証マザーズに新規上場(公開価格:1080円)


■底堅さを見極め、GPIF直接投資がPKOとしての思惑に

9日の東京市場は売り優勢の相場展開になりそうだ。8日の米国市場は中国経済への警戒感のほか、原油相場に下げ止まりの兆しがみられないことが嫌気され、NYダウは160ドル超の下げとなった。シカゴ日経225先物は大阪比100円安の19390円となり、朝方はこれにさや寄せする格好から、売りが先行しよう。

その後はボトムを探る展開となり、売り一巡後の底堅さを見極める格好になろう。シカゴ先物は安いところで19240円をつけている。11月16日の直近安値が19252円であり、ダブル・ボトムを意識してくる可能性がある。ただし、資源価格の下落影響が中国など新興国経済への不透明感につながっており、中国市場の動向を睨みながらの展開になろう。

一方で、厚生労働省は、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が株式に直接投資することを解禁する検討に入ったと報じられている。運用の自由度を高めて収益拡大につなげることが狙いと伝えているが、市場はPKO(株価維持策)としての思惑を強めてくる可能性もあり、下は売り込みづらくなろう。

来週には日銀短観や金融政策決定会合なども控えており、追加の緩和期待なども再燃する可能性がある。個人主体の中小型株物色が中心になりやすいが、売り一巡後の押し目買い意欲が次第に高まる可能性もありそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き970万株の売り越し

朝の外資系証券6社経由の注文状況は、売り2130万株、買い1160万株、差し引き970万株の売り越しの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。

12月2日(水):300万株の売り越し
12月3日(木):90万株の売り越し
12月4日(金):1120万株の売り越し
12月7日(月):270万株の売り越し
12月8日(火):860万株の買い越し


■前場の注目材料

・NY原油先物(37.51、-0.14)、NYダウ下落(17568.00、-162.51)
・政府、宇宙関連産業を底上げへ
・厚労省、GPIFの株式直接投資の解禁検討
・ラクス<3923>が東証マザーズに新規上場(公開価格:1080円)


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 10月機械受注(前月比予想:-1.5%、9月:+7.5%)
・08:50 11月マネーストック

<海外>
・10:30 中・11月消費者物価指数(前年比予想:+1.4%、10月:+1.3%)
・10:30 中・11月生産者物価指数(前年比予想:-6.0%、10月:-5.9%)

《FA》

 提供:フィスコ

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